1-3 静寂
――絶滅は…ヒトのせい?
そして自分はヒトのフレンズ。
動物を絶滅させた…ヒトの…フレンズ。
「それって…」
「違うよ!かばんちゃんはそんなことするこじゃないよ!しかもかばんちゃんは最近サンドスターで生まれた子なんだよ!」
サーバルが吠える。ケラーはそんなサーバルを掴み連れていく
「うみゃあ!離してよ!まだかばんちゃんと一緒に旅をするんだもん!!」
「霧が晴れたらまた一緒に行けばいい。ただお前の命の安全は保証するがヒトのこいつの保証はしない」
「おっと、大人しくしろよ。ずっと離れ離れになるわけじゃないんだからよ。この島から出ていく時にゃまた会えるだろう。俺は知らんけど」
サーバルはケラーに摘まれたまま連れていかれた。
「ニホンカワウソ、そのふたりを連れて行ってあげろ。また連絡はする」
「わかりました。それじゃあフェネックさんアライさん、行きましょう?」
アライグマは納得してないがフェネックが宥める。
「アライさん…ここは言うことを聞いておいた方がいいと思うよー変な争いは避けるべきだよ」
「ぐぬぬ…かばんさんならなんとかしてくれるのだ…今はじっと我慢するのだ…」
フェネック達も大人しくニホンカワウソに付いて行った。
残されたかばんは、まだくらくらする視界の中、海の方に歩き出した。
「ラッキーさん、僕はどうすればいいんでしょうか…」
かばんは藁にもすがる思いでラッキービーストに話しかけた。だが、ラッキービーストは話すこともなく、音を立てることもなく静かだった。
「『俺達が絶滅した理由』って言ってたということはあの二人も絶滅した動物のフレンズ…ということなのかな」
『バーバリライオン、ケープライオン、ドチラモ今ハ居ナイ絶滅シテシマッタ動物ダヨ。『バーバリライオン』ハ『アトラスライオン』トモ呼バレテイテ、ライオンノ中デハ最大級ノ大キサダッタンダッテ。『ケープライオン』モカナリノ大キサデ、トッテモ強カッタンダッテ。ドチラモ『ヒト』ガ住処ヲ増ヤシテイタタメニ生息地ガ減ッテ絶滅シタト言ワレテイルヨ』
「やっぱりヒトのせいで…そんな…」
あのライオン2人は自分たちがなんで絶滅したかを知っている。そして原因は他でもない自分と今探しているヒトの仲間。
自分で自分に落胆しかけた時、隣の茂みからガサガサと音がした。
「――セルリアン!?」
セルリアンだとしたら自分は何も出来ない、いっそこのまま食べられてしまおうとも思った。
だが、そこから出てきたのはセルリアンではなく…
「ねぇねぇ!あなた初めて見る顔だね!嗅いだことない匂いだったから付いてきちゃった!あなたはどこいくの!?送ってあげようか!?」
そこから出てきたのはこれまた初めて見るフレンズだった。
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