ただそれだけの物語

@kotone0001

第1話

AM5:45

1回目のアラーム


AM5:50

2回目のアラーム


AM5:55

3回目のアラーム


AM6:00

4回目のアラーム


AM6:13

起床


いつも通りの朝。

重い体を起こし、散らかった部屋から洗濯後の下着と適当なワンピースを手に取り部屋を出た。


リビングはいつも真っ暗。

少し乱暴に冷蔵庫を開けて麦茶をコップにそそぐ。


半分近く入れるくせに二口程度で満足するから残りは捨てる。


シャワーを浴びるためリビングに部屋干ししてあるバスタオルをこれまた乱暴に引っ張り浴室へ…。


温度は40度、これ以上は熱いしこれ以下は冷たい。


いつものように髪を濡らし、いつものように良いか悪いかよくわからないシャンプーを使い、トリートメントをつける。


すぐに洗い流さず髪や顔を先に洗うのが私流。


シャワー浴びて部屋に戻り携帯を見ると時間は6時34分...やばい急がないとな。


急いで髪を乾かし、化粧水ペチペチ。


下地とファンデーションを塗り、荷物を持って部屋を出る。


階段を降りて玄関で靴を履き、全身鏡で最終確認。


ストレートヘアーに清楚なワンピース。

デニール薄めの黒タイツにヒール。


うん、良しとしよう。


自転車の鍵を手に取り玄関を出る。


そしてカゴに荷物を入れて、鍵をさし、乗ったら猛ダッシュ。


徒歩10分の駅までの距離も自転車があれば3分。


銀行横の駐輪場に乱暴に停めて、駅へ…。


携帯ケースに入れてある定期をピッとタッチ。


ここまで来ればこっちのもん!


階段を登りホームへ行くとちょうど電車が来た。


車両は大体後ろの方、その方が降りた時階段に近いから。


スーツのおっさん。

メガネのばばあ。


19歳の私からすれば大概はおっさんかばばあにしか見えないのはあたり前田のクラッカー。


扉の近くで手すりに寄りかかり、人の波に揉まれながら苦痛に耐える。


「次は水川ー水川です」


約40分の苦痛に耐えるとバイト先の最寄りに着く。


駅を出て徒歩3分のカラオケ店。


都内にある癖に部屋数は競合店と比べて少なめ。


まぁ、多すぎてもしんどいから私は結構好き。


「おはようございまーすっ」


明るく笑顔で挨拶。


するとフロントにいた社員が疲れた顔で

「おはよ…」と返す。


あー...絶対面倒な仕事振られるかもと嫌な予感を感じながら更衣室に向かい、着替えをする。


財布・携帯・ポーチを持って事務所へ。


二回ノックし、扉を開ける。


「あ、おはようございます」


「あぁ、おはよ」


煙草を吸いながら挨拶をする松下弘樹。


「疲れてますね」


「いや、でも寝た方やで」


関西出身故の方言...好きだ。


「今日10名酒フリー入ってましたよね」


「うわぁ、まじで?帰りた…」


「私だって帰りたいですよ」


何気ない会話をして笑いあえる、この時間が凄く好き。


時間というより、松下さんが好きなのかもしれないけど…。

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