第93話
「服を………」
「そうじゃ。ほれ、恥ずかしがっておらんで脱ぐのじゃ。ここには妾達以外おらん」
「リアン様がいますよ!!」
「良いじゃろ。将来裸の付き合いするのじゃから」
「はあっ!?」「ええっ!?」
いきなりそんなことを言われた。確かに俺達はお互いに相思相愛だとわかってはいるが、いきなりすぎる。
「脱がんと始められぬぞ」
「うぅ………わ、わかりました。リアン様、向こう向いててください」
「あ、ああ」
俺が後ろを向いたのを確認したソフィアは、服を脱ぎ始めた。
「ほう。良い身体しとるのお」
「アルディナ様もじろじろ見ないでくださいよぉ。あの、下着もですか?」
「もちろんじゃ」
「はぅ」
しばらくして、ソフィアは服を脱ぎ終わった。お互いに見ないようにはしているが、やはり気になってしまう。
「ふむ。それではお主ら、羞恥を捨てるのじゃぞ。リアン、お主は腰布を取ってそこに座れ。別にお主のを見ても気にせぬから、隠そうとするな」
俺は言われたまま行動をする。っていうか、ソフィアがチラチラと見てきているのが気になる。
「うむ。それではソフィアはリアンの上に前から座れ。リアンと向き合うようにの」
「ええっ!!むむむむ無理ですよぉ!!」
「やろうと思えば出来る」
「だだだって丸見えじゃないですかっ!!」
「言ったであろう。羞恥は捨てろと」
「うぅ~~………わ、わかりました。リアン様、目は瞑っててくださいよ」
俺が目を瞑ると、ふわりと良い香りが漂ってきた。そして、俺の太ももの上に柔らかい感触と温かいものが乗ってきた。
「うむ。そしたらお主ら2人は出来る限り身体を密着されるんじゃ」
俺とソフィアは言われたままにお互いに強く抱き合った。
「り、リアン様、変なこと考えないでくださいよ。考えたらわかるんですか……らって!!もう考えてるんですか!?」
「かっ、考えるなって言う方が無茶だろっ!!お前だって濡れてるのわかってるんだからな!!」
「きゃあきゃあっ!!何を言ってるんですかっ!!」
「仲が良いようでなによりじゃの」
「それより師匠!!ここまで密着する理由はあんのかよ!!」
「あるに決まっておる。お主らは奇妙な制約にがんじがらめになっておるからの」
「どういうことだ?俺の魔法を打ち消すだけじゃないのか?」
「待て待て、説明してやるからの。さてリアン、使い魔の契約とは何かの?」
「そりゃあ使い魔にした奴と魔力の受け渡しや、一部の能力を借りたりすることが、出来るようになることだよな」
「そうじゃの。では、使い魔になる条件は?」
「お互いの意思の確認と了承だろ」
「うむ。ほぼ満点じゃ。じゃが1つ抜けておる」
「んなもんあったか………そうか。同種族とは契約出来ない、ってやつか」
「うむ。百点満点じゃ。それでは問う。今のお主らの種族はなにかや?」
「「人間族」」
「そうじゃ。今もなお、使い魔契約はされているが、同種族ということで反発も起きておる。妾の魔法で今は抑えておるが、使い魔契約の魔法は、リアンを猫に戻そうとしておるのじゃ。あるべき契約の姿に戻そうとな。さて、次の質問じゃ。ソフィアよ、使い魔契約を切る条件は?」
「えっと、確か使い魔、あるいは主人の命が消えた時に切れます」
「その通りじゃ。今までの話から、使い魔契約を切らねば、リアンは人間でい続けることが出来ぬ。じゃが、使い魔契約を切るには、どちらかが命を諦めなければならん」
アルディナの説明は分かりやすくするため、一つ一つが丁寧だった。
だが、同時にこの件に対して、とても難題だということも理解できた。
「じゃから妾はその使い魔契約を書き換えようと思う。そのためには、身体を密着させてばならんのじゃ。本当は肉体的に繋がっていた方がいいのじゃが、流石に初めてでは嫌じゃろ?」
「当たり前だ!!」「当たり前です!!」
「うむ。それなら暫くそのまま密着しておるのだ。使い魔契約をしている状態ならば、それだけ密着していれば、お互いの魔力も1つになるのでな」
それからしばらくの間、素っ裸でソフィアと抱き合っていた。当たり前だが、いろいろと柔らかくて良い匂いで、おかしくなりそうだ。
「うぅ~」
「ソフィア、大丈夫か?」
「恥ずかしすぎて、頭がおかしくなりそうです~」
「無理させてわりぃな。もう少し頑張ってくれ」
お互いに恥ずかしすぎて、ずっと変な汗を掻いている。
ソフィアの胸もお尻も全てが俺に密着した状態での待機なので、生殺しに等しい状態がしばらく続いた。
「ふむ。そろそろ頃合いかの。リアン、契約を書き換えた後、お主の魔力を無理矢理引き剥がすぞ。本来なら有り得ぬ現象じゃ。激痛が伴うので覚悟しておけ。ソフィアよ、リアンをちゃんと感じておるな?」
「ひゃい。わかります」
「妾がリアンの魔力を剥がした瞬間、違和感を感じるはずじゃ。その違和感に向かって、お主の魔力を全力でぶつけるのじゃ」
「は、はい」
「では参るぞ」
アルディナが魔力を高めると、アルディナの瞳が赤く輝きだした。そして、金髪のツインテールも重力に逆らい始めるを
すると、オレの中に違和感を感じ始めた。
「ぐっ」
そして、意識を持ってかれそうになるぐらいの激痛が襲ってきた。
「今じゃ!!」
アルディナの言葉とほぼ同時にソフィアが魔力を俺にぶつけてきた。
「うぅ………消し……きれない」
ソフィアも全力でやっているようなのだが、俺の引き剥がした魔力を消しきれないでいた。
「ソフィアよ!接吻じゃ!魔力を込めて接吻するんじゃ!!」
「っんん!!」
ソフィアは勢いを付けて俺の唇に、自分の唇を押し付けてきた。
すると、俺の中の魔力の一部が消えた感じがした。
「成功じゃ。もう良いぞ、ソフィア」
「…………………」
「ぷはっ。ソフィア、大丈夫か?」
口を放すと、ソフィアは俺の方に倒れてきた。
「……………すぅ」
「ふむ。魔力を一気に使った反動と気疲れで気絶したようじゃな」
ソフィアは俺が抑えてないと、そのまま倒れてしまう。俺は全裸のソフィアを抱き抱えた。
「リアン、ソフィアの服を着させるのを手伝え。妾1人では着せられぬ」
「まぁ、風邪引いたら困るからな」
「くくく。小娘の裸が見たいのであれば、本人に言えば良かろうに。言い訳臭いぞ」
「うるせえ」
ソフィアに服を着させて一段落すると、アルディナは改まって俺に向き合った。
「ふむ。それではどのように変化したか確認をしようとするかの」
そう言うと、アルディナの瞳に赤い光が灯るのだった。
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