第五話 大ボケ回答クイズ

テーマ:大喜利

第五話 1

「おい相楽。大喜利おおぎりをやろう」

 唐突に松任谷が言った。

 松任谷が唐突なのは今に始まったことではないのだが、

「ああ貰おう、ちょうど腹も減ってきたとこだしな。具は梅干しか?」

「おにぎりじゃない、。ちょうどhttps://kakuyomu.jp/user_events/16816700427231232580に問題が出ててな」

「今回のネタは人任せか……やれやれだぜ」

「いや承太郎みたいに言うな」

「じゃあ俺に何かメリットはあるのか」

「ない」

「なるほど。では、さよならだ松任谷」

「自信ないのか」

「うっ」

「現代のディオニューソスの化身ともうたわれる相楽がなー」

「誰が言っとるんだそんなこと。わかったよ、うるさいな。問題言ってみぃ」

 松任谷は小さくガッツポーズをとった。まったく、口先だけは三人前だからな、松任谷あのバカは。


「では問題①。『日本であの世と、この世の間に流れている川の名前は?』」

「銘酒吉乃川」

「つまらん」

「むっ。わざわざ日本限定にしているのがきもだな。クロネコ佐川とか」

「どっちなんだ」

「魂を運ぶ宅急便とか面白いと思わん?」

「次いこ。問題②『憲法で定められている国民の三大義務を、三つすべて答えてください』」

「ツイッターを見る義務、ツイッターに書き込む義務、相手にブロックされる義務」

「うわあネット廃人がいるわ。最後のは義務なんか?」

「それがないやつは一人前とは言わん」

「義務かって話をしてるんだが」

「次いけ」

「問題③『夏目漱石の名作「吾輩は○○である」○○の中に入る言葉は??』 ……そういえば芥川龍之介は漱石好きすぎて『吾輩も犬である』って話を書いたらしいな」

「へぇ。内容は?」

「知らん」

「本当にお前って自動でく紙コップ式販売機のアイスコーヒーを飲み干して残った氷の味くらい薄い知識しかないのな」

罵倒ばとうが長いわ。で、答えは?」

「『吾輩は内臓である』とか。であるからして」

「ダジャレかい!」

「ダジャレだい!」

「開き直んな。他には?」

「『吾輩は神である』。名前はまだないが、光はある――とか」

「いまいちピンとこんな」

「『吾輩はトラックである』。よく人を轢いて異世界に送っている」

「ラノベかね。問題④『明治時代・大正時代・昭和時代・○○時代・令和時代……○○に入る時代は何時代?』」

「……Hey! Say! JUMP時代?」

「それは俺も思った。百万人は頭かすめてると思うぞ」

「百万人もカクヨム読んでるはずないだろ」

「しっ。消されるぞ」

迂闊うかつだった。自戒する」

「さあ答えは」

「ペヤングカップ焼きそばのフタが変わってお湯をこぼすときにシンクにどばぁがなくなった時代」

「そうだけれども。平成っていったらそれなんか」

「いや大事な進化だぞ。確かに時代が変わったのを感じた」

「安上がりでいいな」

「次」

「問題⑤『十五世紀、仲間と一緒に航海をしたコロンブスが発見したものは?』」

「後悔」

「なんでや」

「夢の島までは探せないから」

「パラダイス銀河は古いぞ」

「なんでじゃ、光GENJIは永遠だぞ。よーうーこーそーここへー♪」

「歌うな」

「次」

「問題⑥『「水星・金星・○○・火星・木星……」○○の中に入る惑星は?』」

「その星は、いったん離れたが最後絶対に戻ることはできない謎の惑星であった……」

「何言ってんの?」

「いや、だから、『』」

「照れるくらいなら言うなよ」

「次」

「(出なかったんだな)問題⑦『人間の血液の中で、赤血球が身体中に運んでいるものは?』」

「おばちゃんがくれる無限の飴ちゃん」

「高血糖だなー」

「またはラブレター」

「甘ーい!って スピードワゴンか。適当に甘いつながりで答えるのやめて」

「次」

「問題⑧『幕末に京都の治安を守っていたのは「○○組」……組名を書いてください』」

「……でんぱ組.inc?」

「アイドルが治安を守ってたのかよ」

「だって世界中でやらかしちゃってるんだよ。愛が地球救うんさ!」

「わかったわかった――問題⑨『ニューヨークのマンハッタン島にある像は?』」

「モアイ全身像」

「でかそーだな。頭だけであれだけあるのにな」

「またはキングコングの下半身」

「なんで下半身だけ? スケキヨ状態!?」

「ほら、エンパイアステートビルから落っこちて」

「埋まってんのかよ! トムとジェリーか!」

「HAHA! HAHAHA!」

「それやめろムカつく」

「次」

「問題⑩『スペインでは、町の中をあるモノが疾走して、人々が逃げる祭りがありますが、町の中を人々を追って疾走するモノは?』」

「ティンダロスの猟犬」

「怖いわ。クトゥルフから持ってくんな。まるっきり生き残れる気がしない祭りだわ」

「殺人魚フライングキラーかも」

「ホラー好きしかわからんって」

「ちなみにジェームズ・キャメロンの商業初監督作品なんだけど、ひどい環境での撮影だったが故に本人は蛇蝎だかつの如く嫌ってるらしいぞ」

「問題⑪『旅行家のマルコ・ポーロは、東方見聞録の中で東洋の島国を「なんの国」と、西洋に紹介したのでしょう?』」

「(スルーしやがった)2億4千万の瞳の国」

「ー出逢いはー億千万のー胸騒ぎー」

「命のときめきエキゾチィック~」

「エキゾチック~」

「じゃぱん!」

「じゃぱん!」

 ハイタッチ。

「2億4千万のものまねメドレー選手権またやらねえかな」

「好きだったなー」

「これが最後だ。問題⑫『人間は何から進化した?』」

「AIからじゃね」

「人工知能から人間が出来たのか? じゃあそのAIはだれが作ったんだ」

「人間に決まっとろうが。人工って言ってるし」

「その人間はどこから出てきた」

「ダカラAIガ――」

「ひょっとしてお前はAI?」

「バレテシマッタカ。デハ歌イマス。『ハピネス』聞イテ下サイ」

「歌手のAIじゃねーか!!」

「おあとがよろしいようで」


「って、それで終わるか! 歌手のAIから人類が生まれたのかよ!」

「うるさいな。愛から生まれたに決まってるだろ」

「ちゃんちゃん」







                    終








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