25日目
風歩日記。……モモ先輩には学校に行ってもらった。私はモモ先輩の部屋でひとり考える。何が最善だったのか。正しい選択とは何か。でもそんなことを考えていても意味がない。私が出来ることは何だろう。いつも思う。私に笑顔を向けてくれる人達に報いるには何が必要なのか、いつも考えている。
風歩日記。……時間は放課後。そろそろカケルが家に帰る頃。私はモモ先輩の部屋から自宅に電話をする。運良く私の狙い通りカケルが出る。私は昔カケルに教えたチェックボード式の暗号を使って用件を伝える。カケルは私などより遥かに頭の出来が良い。私が何を言っているのかすぐに理解してくれた。
風歩日記。……夜。カケルから折り返しの電話。私の調べて欲しいことを調べてきてくれた。それによると今商店街にいないのは屋根から落ちた居酒屋の店主、教会の日比野神父、書店の店主、それに肉屋の店主……稲田のお父さん。ただいないだけならいいけど……この状況で楽観なんて出来ないよね……。
なんでも知ってるムジークン。
チェックボード式暗号というのはチェス盤のマスひとつひとつに対応した文字を当てる暗号のことコポ。風歩さんとカケルが使ったのはこれを改良したものコポ。なんでこんなものを使ったかというと盗聴を警戒してのことコポ。
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