第2話 北条氏康との出会い

「起きろ、こんなところで倒れてどうしたんだ? お前は誰だ? 」

 もう朝がきたのか? 早い…。まだ寝ていたいのだか…。それにお前は誰だ? とか古すぎるだろ?

 そんなことを思いながら目を開くと…。

「どこだここ? 」

 俺の目の前には畑が一面に広がっていた。


「おぉっ、起きたか! てっきり死んでいるのかと思ったぞ! 」

 声の主を見るとそこには着物姿の康香がいた。

「康香、お前何で着物なの? つーか、ここどこ? ドッキリ? 」

 そういって康香を見つめると彼女は首を傾げて

「何を言っているんだ? 私は北条氏康だぞ? それとここは小田原城から少し離れた南町だが…? 」


 何を言っているんだろう? 北条氏康? 小田原城? 南町? 

 俺はとりあえず城址公園の近くに居るのか…。

「駅ってどっちかな? 」

 辺りを見渡しても駅や車が通っていない…。

「駅? 駅とは何じゃ? 」


 マジか!? 駅を知らない…。

「じゃあタクシーは? 」

 彼女は首を傾げる。

 どうやら此処は俺の知っている世界ではないらしい…。

「それより、お前は誰だ? ここで何をしていたんだ? 」


(何もしていない、家で寝ていて起きたらここに居た)そんな事を言って信じてもらえるのだろうか?

「記憶がない…」

 だったら記憶喪失の方が都合がいいのでは?

「そうなのか名前も分からないか? 」


 どう返事をするのが良いのだろう? 名前だけ覚えていたら怪しくないか?

 返事に困り、唸っているとそれを見かねた氏康と名乗った少女が俺の手を取り

「これから名前を尋ねられたら風魔小太郎と名乗れ、それが今から御主の名だ! 」

 と笑っていた。


 どうやら俺は忍者になるらしい…。

 そして俺は、この世界で風魔小太郎として氏康ちゃんを支える参謀になることになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る