時雨サイド

第7話

どうしたんだろう。


黒井くんが泣いているなんて。


初めて見た。


黒井くんはいつも一人で一日中勉強ばかりしているのに。


なにかあったのだろうか。


「……黒井くん……?」


とりあえず声をかけてみた。


黒井くんが心配で。


「…おはよう」


少し鼻声で昨日より無愛想に返された返事。


「…なにか…あったの?」


「あんたには関係ないだろ」


「……っ!」


強く言い返され言葉が詰まった。


黒井くんの声は暗い声で怖かった。


「…なにか力になれることはない?」


「お節介だ。どけ。」


黒井くんは少し怒った様子でどこかへ行ってしまった。


その日、私は黒井くんに話しかけることが出来なかった。


黒井くんは私の命の恩人。


できることなら嫌われたくない。


だけど助けてあげたい。


私はどうしたらいいんだろうか。


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