黄昏のエルメリア集

【神聖皇国葦原】関連設定

・神聖皇国葦原（しんせいこうこくあしはら）

ソレイユから海を隔てた東方に位置する島国。

皇都『大和（やまと）』を国政の中心とし、政教一体で独自の宗教形態を持つ。

国政は皇帝（すめらのみかど）と呼ばれる弥栄（やさか）家が取り仕切っている。

生活基盤はクオリアよりも蒸気機関やディーゼル燃料によって支えられており、王国とは全く違う文化が形成されている。

周囲を海に囲まれた島国であり船か飛空艇によってのみ他国と繋がる。

主要８つの港は『八宮（はちのみや）』と呼ばれる、皇帝に連なる八の旧家がそれぞれ管理しており対応する家系当主の許可無しには出入国出来ない。

王国は国交がある数少ない国家。前述の通り容易な行き来こそ制限されているが比較的良好な関係を結んでいる。

・薄暮（はくぼ）の民（たみ）

葦原におけるトワイライトの総称。

この国では薄暮の民は「主神により試練と恩寵を与えられた神使」であり、御先（みさき）の兆（きざ）し（＝トワイライト化）が現れる事は名誉な事とされる。

彼等は一般的な人間と差別されることは無く、逆に後述する『薄明大社』や『甕星隊』への優先的な配属などある程度の優遇措置が存在する。

薄暮の民は神の力の一部を与えられる代わりにその器を試されるとされ、神の力を得る器でなかった場合に宵凶神（よいのまがかみ）に身を落とすと伝えられている。

・宵凶神（よいのまがかみ）

葦原におけるロストの総称。

薄暮の民が身を落とした姿で民の畏怖の対象ではあるが、神と名のつくことからもわかる通り宵凶神も信仰の対象であり、荒神とはいえ軽んじて良いものではない。

故にその討伐も荒ぶる御霊を鎮め祀るという考えのもとに行われている。

・八天将（はちてんしょう）

歳星帝（さいせいてい）・太歳（たいさい）

太白帝（たいはくてい）・大将軍（たいしょうぐん）

鎮星后（ちんせいこう）・太陰（たいおん）

辰星帝（しんせいてい）・歳刑（さいぎょう）

鎮星帝（ちんせいてい）・歳破（さいは）

熒惑帝（けいこくてい）・歳殺（さいせつ）

羅睺帝（らごうてい）・黄幡（おうばん）

計都帝（けいとてい）・豹尾（ひょうび）

と名付けられた計八体のSランクロストの総称。

総じて人に似た姿で知能が高く、精神性の程度こそあれ円滑な会話が可能。

依存、憤怒、妄信など各自何らかの欲望を強く宿しており、その感情は彼ら自身の能力にも影響を及ぼしている。

葦原国土の周囲に常時リング空間を展開し国内への出入国を制限しているが、これは「主たる天一との盟約」であるとして葦原国内に手を出すことは無い。

彼等は荒神であると同時に葦原の周囲八方位を司るとされ、実際葦原が他国からの侵略を受けないのは八天将の存在が大きい。

彼等が害するのは民ではなく、専ら八宮よりの申告無き「葦原への侵入者」である。

その出自は遥か昔に葦原の建国に関わった国生みの徒であり、八宮の始祖たる人物。

彼等の首魁であった天一との盟約により葦原の民に手出しすることを禁じられており、定期的に巫覡や葦原への侵入者を喰うことで力と理性を保っている。

・薄明大社（はくめいたいしゃ）

国営の神事機関。

国内に現れる宵凶神の討伐を主な任務としているが他国との交戦時における主戦力としての役目も負っており、神事機関でありながら実質的には軍事組織としての側面も持つ。

構成員は「神和（かんなぎ）」と呼ばれ、魂魄晶（こんぱくしょう）(＝クリアクオリア）を装身具に装着することで宵凶神を浄化するための術『随神（かんながら）』を扱うことができる。

能力、経験によって上から浄階（じょうかい）、明階（めいかい）、正階（せいかい）に分類されている。

入隊は最低でも十五歳から、尋常小学校及び中学校卒業を以て国からの許可が降りる。

なお上限年齢は存在せず、実力さえあれば文字通り死ぬまで神和として活動することが可能

正階→神和の最低位階。神和になった時点で全員がこの位階を与えられる。

騎士団における一般隊員。

明階→ある程度の功績をあげ一部隊をまとめる能力があると判断された場合に与えられる。

騎士団における隊長格。

浄階→後述する甕星隊の隊員に与えられる位階。神和における最高位。

騎士団における騎士団長直属や他の騎士団から見た暁の騎士団。所謂エリート。

・甕星隊（みかぼしたい）

薄明大社の内部組織。皇帝の直属部隊。

特に優秀な能力を持った神和によって構成される精鋭部隊であり、通常任務の他に他国との外交や潜入調査なども担う。

年齢や種族、家柄を問わず個々の能力次第で誰でも抜擢されるが、定期的な能力試験による選別が行われているため人員の入れ替わりは激しい。

・皇帝（すめらのみかど）

別名：北辰帝（ほくしんてい） 天一（てんいつ）

国生みの神の直系の子孫であり現人神（あらひとがみ）、八方位の天将を統べる第九の天であるとされる。

皇帝は弥栄家の嫡男が代々務めており、本名の他に名跡として初代の名である北辰帝 天一を襲名する。

弥栄家の始祖は伝承の通り、S級ロストである北辰帝 天一。

その出自故に皇家、特に直系である弥栄家の人間は魂魄晶への感応能力が高い代わりにトワイライト、ひいてはロストになりやすい特性を持つ。

・八宮（はちのみや）

皇帝に連なる旧家であり、それぞれが八天将と対を為して国境八方位の守護を務めている。

坎宮（かんきゅう）

坤宮（こんきゅう）

震宮（しんきゅう）

巽宮（せんきゅう）

乾宮（けんきゅう）

兌宮（だきゅう）

艮宮（ごんきゅう）

離宮（りきゅう）

の八家で構成される。

この『宮』は苗字ではなく肩書、官位のようなものであり、八宮の者は名乗りにおいても「太歳縁家坎宮、○○（苗字）」といったように決められた名乗りをすることが定められている。

八宮は弥栄家と同様、八天将の血を引く直系の子孫であり、上からそれぞれ太歳（たいさい）、大将軍（たいしょうぐん）、太陰（たいおん）、歳刑（さいぎょう）、歳破（さいは）、歳殺（さいせつ）、黄幡（おうばん）、豹尾（ひょうび）を始祖に持つ。

それ故八宮も弥栄家と同様遺伝的にクオリアの感応能力が高い。

・巫覡（ふげき）

八宮に数十年に一度の間隔で生まれる特別な子供の総称。

八天将の贄となるべき存在であるとされており、生まれながらにして体のどこかにクオリアを持つ。媒介無しに『随神』を扱うことができるが総じて短命。

これまで巫覡が四十歳まで生きた例は無く、巫覡の死後、対応する八天将が死体を回収、巫覡の随神に酷似した能力を用いるようになることから「巫覡の魂は天将に喰われる」と伝えられている。