黄昏のエルメリア集
瓶野こるく
【明けの明星】関連設定
☆
下層最下部に拠点を構える傭兵集団。
16年前に発足した比較的新しい組織で、“
一般団員は単体行動に特化した白羊宮と全体の統率を担う12の宮に配属。それぞれに前線部隊や情報部隊などの役割が振り分けられている。
団員は『
2年前に起きた『S級ロスト【
拠点は外部から目視できないよう巧妙に細工がされた4階建ての大洋館。
入り口としてバー『StarDust』がある。ここで実在しないカクテル名を注文することが団員の証明及び合言葉になっており、注文後は奥のスタッフルームから地下へと向かう階段を使って拠点へと入ることができる。
☆星の業
『
クオリア適性が低くとも扱うことが可能で往々にしてその能力は騎士の扱う【剣の業】よりも強力であることが多いが、品質の低いクオリアから無理に力を引き出しているため能力の行使には副作用を伴う。
能力の規模が大きいほど副作用も激しくなることが殆どで、団員の中には乱用により命を落とした者やその苦痛からロストと化した者も存在する。
また、業には起動コードが存在する。
使用者の精神性等により例外はあるが基本的に『AのBよ、CをD』といった構文が存在し、これに従って構成される。
A:各地の神話に登場する神や英雄の名
B:武器、道具の名称。必ずしも使用者の武器と同一とは限らない
C:1~3文字の熟語
D:命令系の述語。Cと関連し、使用者の意志が反映された文言であることが多い
例1(構文通りの物):『スルトの杖よ、滅びを奏でろ』『ワルキューレの槍よ、希望を示せ』
例2(構文の例外となる物):『
☆不純質クリアクオリア
元は20年ほど前、王立第十三研究所にて「市民の自衛のためにクオリア適性が低い者でも【剣の業】に近い能力を行使できないか」という目的で生み出されたもの。
暁の騎士団で採用されているものよりも純度が低く容易な量産が可能だが、途中で使用時の副作用が確認されたために研究は中止。
その後同研究所が謎の事故により壊滅した為にクオリアも失われたと考えられていた。
明けの明星においてはセレスティオ・シェローが保管、支給をしているがその出所は一切不明となっている。
☆S級ロスト襲撃事件
明けの明星内で『コード:モノクローム』と称される最悪の事件。
2年前、他の低級ロストとの交戦中に突如出現したS級ロスト【冬焉の蝶】の撃退作戦において甚大な被害を受け、交戦時の混乱で組織は一時半壊状態に陥った。
☆冬焉の蝶
青い燐光を放つ蝶の姿をした群生型ロスト。ランクはS。
10~15㎝程の小さな個体が数匹~数百匹集まった姿で現れる。
これらの個体全てが一つの精神を共有し、会話可能なほどの高度な知性を保持。その知識レベルは人間以上ともされる。
単体では攻撃手段を持たないが、数十匹以上集まる事で鱗粉を大量発生させその鱗粉を剣や杭のような形に変化させ人間に危害を加えることもある。
このロストが現れた場所には天候や屋内外、季節を問わず必ず雪が降る。
この雪はただの雪ではなく、無機物、有機物はおろか人間やロストの別さえ無く何もかもを腐敗させる能力を持つ。
便宜上腐敗と呼んではいるが自然現象としての腐敗とはメカニズムが全く異なる。
雪による腐敗は数時間から数日の時間を要し、その雪が一定時間触れ続けた個所を段々と氷や雪が融けるかのように消失させてしまう。
各種回復型の業により解除や治療が可能だが、蝶が増殖し雪が世界中に降り積もる事となれば事実上世界の終焉が訪れることなる。
幸い冬焉の蝶の発生頻度は低く、発生しても数匹単位ならば騎士団や明けの明星の一般団員で対処が可能。
明けの明星の襲撃事件以降、数十匹単位以上での出現は確認されていない。
☆
5年前まで存在していた犯罪組織。首魁はスクルド・レーヴァテイン。
元はスラムのストリートチルドレンによる小規模なギャング組織だったが、数年で勢力が一気に拡大。3年も経つ頃には王都でも名の知れた大規模かつ強大な犯罪組織へと成長した。
「その身強欲なる竜として、弱者を喰らい強者をも喰らえ。
万物は我等の糧なれば、財宝も罪業も総てを奪い世界を焼き尽くすべし」
を信条に、他組織との抗争や殺人などありとあらゆる犯罪行為に手を広げていた。
そこには「初期の組織には「薬、人身売買、婦女暴行には関わらない」という掟が存在したが、組織が肥大化するにつれて末端の制御が利かなくなり掟は形骸化した」という背景がある。
所属者はミドルネームや苗字など何らかの形で“レーヴァテイン”を名前に組み込むことになっており、特に首魁に近しい初期メンバーの中では家族意識が強く形成されていた。
犯罪規模の肥大化を重く見た明けの明星との抗争を起こし壊滅。その後首魁スクルドが空けの明星に移籍したため構成員の半数以上がそのまま吸収された。
実質的な活動期間は12年。
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