第43話 名探偵スミカの喧噪2

ミドリカワエンタープライズは午後一時から昼休みである。

私はミフネさんと駅前のパスタ屋で私はランチを食べることにした。


私「エビのクリームパスタをください」

ミフネ「私はペペロンチーノなのだわ」

店員「かしこまりました」


私「この店には言い伝えがあるんです」

ミフネ「ふむふむ」


私「店員が間違って『ペンネ・風舞う空中庭園にたたずむMadam(まだむ)』を出して来たら、何でも一つだけ願いが叶うと言われてるの」


ミフネ「…………うわっ、メニューに『ペンネ。風舞う(以下略)』ってちゃんと載ってるのだわ(汗)しかも2500円って超強気!」


私「言い伝えは置いておいても、本当の恋をすることができたなら、その時は勇気を出して食べてみたい」

ミフネ「本当の恋って……クロシマさんと付き合ってるんじゃ?」


私「人を愛する前に、恋をしてみたかったです……乙女のたしなみとして」

ミフネ「いやいやいや!花嫁修業しますみたいなノリで他の人と恋をしたいとか意味わからないから!」


私「///」

ミフネ「べ、別にスミっちがクロシマさんの花嫁になるかどうかは知らないけどっ!」


私「ミフネさんは愛よりも恋が先なんですか?」

ミフネ「どっちが先とか関係あるのかしら」


私「人を好きになる感覚って今でもよくわからないんですよね」

ミフネ「そんなはっきりと言語化するような感情でもないと思うのだわ」


ふと視線を感じて店の扉の方を見ると、なぜかキリモが立っている。


キリモ「あっれー、マネージャーなにやってんの?こちらの方はお友達?すっげー美人じゃん♪」


ずかずかとやってきて私の隣に座るキリモ。黒いパーカーとキャップを脱ぐ。


スミカ「こんにちは……ん?あなた、スミっちのことマネージャーって呼ぶってことは……」


私「私の愛人2号よ」


キリモ「えっ!?///」


私「そういえば名前何だっけ」


キリモ「キリモだよ!スミカさん!ていうか2号ってなに?」


私「なんで私の名前知ってるの!?」


キリモ「驚くとこそこ!?LINE交換したでしょ!そこに出てたよ!」


ミフネ「この子がスミっちをマネージャーって呼ぶ彼かぁw」


キリモ「で、2号って何?」


ミフネ「愛人1号がクロシマさんで、2号がキリモ……くんってことなのだわ」


キリモ「マネージャー!僕に二股かけようなんて良い度胸だね。しかもキープとか」

私「これが修羅場っていうやつなのね。一気に大人の階段駆け上がってる感が半端ないわ!」


私はおもむろに電話を取り出すと、連絡先からクロシマさんをタップする。


私「(とぅるるるる)あ、もしもし、クロシマさん?今すぐ来て!私の恋のライバルが修羅場でもう大変なの!」


・・・


クロシマ「えっ、えっ、これはどういう状態?」


私「愛が試されてるのよ!」

キリモ「マネージャーは僕に夢中なんだよ。だからもうあきらめなよ!」

ミフネ「クロシマさん、乙なのだわwwww」


私「クロシマさん。私はクロシマさんとキリモくん、どっちが好きなの!?」

クロシマ「えーそこ、迷ってるの!?」

キリモ「そんな遠回しに僕のこと好きだなんて照れるよ!」


ミフネ「幻滅した?するよね!もう別れちゃうべきだわ!」


店員「こちら、ランチでーす」


クロシマ「僕はスミカさんと付き合ってるんだ!混乱させないで!」

キリモ「マネージャー!この際だから僕たちの関係もはっきりさせよ?」

私「///」

ミフネ「もしかしてノロケ?これってノロケを見せつけられてるんじゃ(汗)」


モテる女は楽しい♪

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