実は私は美少女天才プログラマなんです

第36話 構造化する論理

if文っていう、プログラミングではお決まりの構文があるんだけど、これは実はものすごい理屈のカタマリなの。ようするにこんなの。


―――――――

if (クレープを食べたい)

{

  クレープを食べる();

}

else

{

  パフェを食べる();

}

―――――――


クレープを食べたいなら、クレープを食べる。そうでないならパフェを食べる。でも実際はお腹空いてるかどうかとか、財布の中にお金が入っているかどうか、今いる場所の近くにスイーツ店があるかどうかも絡んでくる。


// -----------------------------------------------------------------

// スイーツを食べようと思うけど、その前にちょっと確認

if (お腹空いてない)

{

  帰る;

}


if (お金持ってない)

{

  帰る;

}


if (近くにスイーツ店が無い)

{

  帰る;

}


ここまで来たならもう大丈夫。完璧な論理が私を約束された成功へといざなう!ぬふふ。


…………


そして今、私は駅前のスイーツ店の前で「定休日」と書かれた張り紙を見て、手をぷるぷるさせていた。


無情にも「定休日」と書かれた張り紙が(大事な事なので2回)


すーーーーっ


私「ばか-っ!」


…………


数分後。私はとある喫茶店でパフェを食べていた。私が組み上げた高度な論理の網が破られようとも、私は決してあきらめない。それが可憐な大人のポリシー。


私「どれだけ熟考を重ね、シミュレーションを重ねても、穴は必ずあるのよ」

アマネ「はいはいわろすわろす」


目の前にいるアマネはたまたまそこで出会ったので引きずり込んだ。


アマネ「悪いけど私、この後カレシとデートだから」

私「なっ///」


アマネ「ぷっぷーくすくす」

私「ちょっ//」


アマネ「世界中の男の子が私を愛しているような気がする!」

私「…………」


アマネ「じゃあ、そゆことで」


引きずり込んだかいむなしく、そそくさと去っていくアマネ。いつもよりオシャレしてるのかな……いつもよりメイクに気合入ってたかも。


私もメイク気合入れてみるか。手鏡、手鏡っと……


うん。完璧な私だわ。



キリモ「あれ?マネージャー、なにしてんの?デート?」

私「違います」


突然現れたのは自称芸能人のキリモだ。グレーのパーカーに黒いキャップとハーフパンツ。ラッパーでもやってるのかな(偏見)


キリモ「そろそろ旅の仲間に吟遊詩人が欲しくなってきたとか?」

私「???」


キリモ「ジョークだよマネージャー!」

私「わかった!ドラクエでしょ」


キリモ「ちがうよ」


ちがうのか。


キリモ「マネージャーも自分のメイクが気になる乙女だったんだね!」

私「…………」


気になる女の子にちょっかいをかけてる感全開で私にアプローチしてくるのがちょっとかわいい。


っと、さっき電話で呼んでおいたクロシマさんがようやく来た。


クロシマ「おや、どうも」


キリモ「ん?……お、おう」



キリモ「……ってマネージャー!やっぱりデートだ!」


私「大人のお付き合いです」


キリモ「っ/////」


クロシマ「/////」


なんか思いっきり言葉を間違えた気がする。

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