第35話 私のかっこ悪い所は忘れて欲しい

私は美少女天才プログラマ、スミカ!


ミドリカワエンタープライズに出張してるんだけど、そこにいたミフネって子に連れられて出かけたら、ななんと行きつけのスイーツショップのイケメンと知り合いだって言うじゃない。だからみんなで居酒屋で飲んでたらもう大変。私ってばお酒を飲んだ勢いに任せて愚痴が止まらない。私を好きになれだの、イケメン10人欲しいだの、イケメンの前で口走っちゃった。もうやめて私のライフは0よ!ああもうなんでこうなっちゃうかなぁ。こんなのぜったいぜったい私じゃない。でもいいわ。一晩経ったなら全部なかったことにしてあげる。さあ、反撃開始よ。


…………


昨日は酔った勢いでとんだ醜態を晒してしまったけど、お酒のせいなら仕方ない。私の本質的に何も間違ったことは起こらないはず。


いつも通りビルの2Fに出勤。ドアを開けて普通にあいさつする。

私「おはようございます」



ミフネ「おはようスミっち!昨日はとっても楽しかったのだわ」

私「昨日?何それ。私知らないけど」


ミフネ「ちょっとちょっと、何言ってるのだわ。クロシマさんは貴方のものなのだわ。ちゃんとご主人様としてクロシマさんを徹底的に支配するのだわ」


私「何それ怖い」


ミフネ「んもーっ!」




コンドー「スミカさんって『イケメン支配を企む悪の女王様』目指してるの?」

私「ど、どうしてそんな話になってるんですかっ!……あっ、ミフネさん、適当なことしゃべらないでください。私をギャグ漫画の悪役にするの禁止!禁止!」


ミフネ「えーw」

私「草生やさないでください!」


…………


そして昼休み。私は駅前のスイーツ店へと足を運んでいた。


クロシマ「いらっしゃいませ」


私はすっとクロシマさんの目を見つめる……


別にミフネに言われたからってわけじゃないけど、私からクロシマさんに対して、もっとアプローチをかけてみてもいいと思うわけ。今までだって待ってるだけじゃこの人は動かなかったわけだし。ちょっと手を出して転がしてみたっていいじゃない。男の人に興味を持ったって良いじゃない。高校生までで済ませておけって言われるかもしれないけど、私は今、この人で遊んでみたい。そう思うことでしか私はこれ以上前に進めないと思う。


だから、ねえ……クロシマさん……言葉がうまく出ないけど……


私「あ……あの……わた……私……」


クロシマ「っ!」


私「わ……わた……私と……ちょっと……」


クロシマさんは動揺している。


私「つ、付き合ってくれる?///」


クロシマ「あ、えっと……えっ?……あの……その……」


むむむ……


クロシマ「う、うれしいよ。ぜひ」


ほっ。


私「そう……よかった」


にこっ!

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