第29話 そろそろゲーム作るか

私はスミカ。Unity と C# の組み合わせでゲームを作ろうと思ってるの。でも作業は全然進んでない。なぜか?きっとゲームエンジンが無いからに違いないわ。Unity に詳しそうな人に聞いてみよ。プログラマのリーダーのコンドーなら何か知ってるかも。デスクでコーヒー飲んでるところを直撃してみる。


私「Unityで使われてるゲームエンジンって何かありませんか?」


コンドー「?」


私「??」


コンドー「Unityってゲームエンジンですよ?」


いきなり認識の相違が炸裂して私は動揺を隠せない。


私「まさか……そんな……」


コンドー「そりゃアセットストア行けばもっと便利になるエンジン的なものはあると思います。ノベルゲームを作るエンジンとか、アクションゲームのサンプルとか。でもスミカさんはプログラマでしょう?エンジンを作る方が醍醐味だと思います。画像とかアニメーションこそアセットストアから拾ってくればいいじゃないですか」


エンジンってそもそもなんだっけ感がしてきた。


私「あまり反論できませんが、イベントシーンにあるようなイケメンのスチル画像くらいは自分で描きたいですね」


コンドー「…………ま、まあいいんじゃないですか(汗)」


微妙な反応のコンドーを尻目に、私はゲーム企画書を書こうと思った(今更)。こういうのはノリが重要だと思うから。



ちょうどいい感じにミフネが視界に入ったので、今の考えをぶつけてみる。


私「美少女天才プログラマが街のスイーツを食べ歩きながらイケメンとの高感度を上げていく恋愛アドベンチャーを作ろうと思うんだけど、タイトルが決まらないの」


ミフネはふむふむと相槌を打つ。


ミフネ「私のリサーチだと『悪役令嬢に転生してスイーツ食べまくってたら魔王と飲み友達になってた(笑)』とかみたいなタイトルが良いと思うのだわ」


なぜ飲み友達なのか……しれっとネタを突っ込んでくるあたり侮れない。いや、ネタじゃないかもしれないけど。


私「参考にさせてもらうわ」


…………


私「というわけで『スイート☆ストリート☆スイート』というタイトルに決定です。1つめのスイートは sweet (甘い)って意味で、2つめのスイートは suite(1式) という意味で、要するに、甘い街にいる美少女天才プログラマとイケメン集団1式という意味になります」


ミフネ「…………お、おぅ。一体何を参考にしてそうなったのかわからないのだわ」


私「ふふふ。どうやら、ゲーム作りが見えてきたわね」

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