第11話 カレシの鮮度は短い

コンドー「スミカさん、実は私、好きな人ができたんです。ごめんなさい。許嫁の件、また今度にして頂いてもいいですか?」


私「えっ」


私が驚いている横から金髪碧眼きんぱつへきがん打ち手キーパンチャー、ミフネが顔を出す。


ミフネ「ごめんなさいね。私、コンドーさんとお付き合いすることにしたの」


私「本当ですか!?」


コンドー「私はいつだって本気です」


私「ぐふっ」



気が付いたらフラれたことになっていた。周囲から同情されまくっている。


同僚A「スミカさん元気出して」


同僚B「スミカさんガンバ!」


お゛お゛お゛・・・


私はコンドーのことを愛していなかったかもしれない。ていのいいATMになってくれないものかと密かに期待していたのは認めよう。だが失って初めて、なんて都合のいい男だったのかと思えてくる。惜しい。惜しすぎる。


・・・


その夜、私は居酒屋でミックスジュースを飲んでいた。なぜかミフネも一緒だ。


ミフネ「じゃあ私に新しいカレシができた記念パーティ行ってみよっかぁー!」



私「かんぱーい(ぼそっ)」


ミフネ「もう!いつまでいじけてるのよ。あんたを捨てた男のことなんて気にしなくていいのよー!ぷはーっ♪」


私「その男ってミフネさんのカレシのことなんですけど」


ミフネ「怒ってる?意外とコンドーのこと・・・」


私「そんなんじゃないです!」



ミフネ「彼、失恋した私を見てほっとけないって思ったんですって」


私「はぁ。。。」


ずるずるずる……おっと、ミックスジュースが無くなったようだ。


私「すいません。ウーロン茶お願いしまーす」



ミフネ「はぁ……本当はとっても不安なの。私は彼に同情されてるだけなのかな?私が幸せになったら彼、どっか行っちゃうのかな?あ、私はカシスオレンジおねがーい♪」


私「ええ、もっとかわいそうで見下せそうな人の所へ行くんだと思います。海藻サラダ追加お願いします」


ミフネ「ちょっとちょっと何それwスミカちゃんってば相当怒ってるんだからwwやっぱ気になるんだwwwwwまかせといて!私、あと3日はコンドーの愛をむさぼるから!から揚げもよろしく!」


私「それは賞味期限短すぎかと思いますが……」


店員「かしこまりました」



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