第8話 ミルフィーユの彼はエース
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?「ありがとう。僕は君のことを愛して……でもさよなら」
私「待って!」
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こんな感じの夢を見てしまった。男を追いかけるなんてガラじゃない。私は美少女天才プログラマになった代償として何か大切なものを失ってしまったのかもしれない。ゆるふわモテカワガール的な何かを。
突然なんだけど、今日からコンドーの会社に出張することになってしまった。エースプログラマが実家の稼業を継ぐとかで突然辞めてしまって大変らしい。そこで私の出番というわけなのよね……ふふふっ。
エースの座は私がもらったああっ。
課長「君がスミカさん?よろしく頼むね。こちら、代打で来てもらったエースのコンドーくんだ。彼の下について作業して欲しい」
私「…………かしこまりました(むすっ)」
コンドー「よろしく(ぷっ)お願い(げほっ)しまっ(ぶはっwww)」
私「どうしました?私に一目ぼれでもしましたか?」
コンドー「///」
なぜそこで照れる。
とりあえず挨拶を済ませ、仕事の概要の説明を受ける。
コンドー「かくかくしかじか」
私「かしこまりました。メールに送られてきたチケットから着手いたします」
・・・
そしてランチタイムが来た。コンドーも来た。
コンドー「お昼ご飯行きませんか?知り合いがこのあたりでお店をやってましてね。お昼にサンドイッチとか食べられるんですよ」
私「良いですけど」
・・・
クロシマ「いらっしゃいませ。あれ、コンドー、その子!?」
まさかのスイーツショップ。クロシマさんが目を白黒させて驚いている
コンドー「え、あれ?知り合い?まさかツイッターのイケメン!?」
こっちはもっと驚いているようだ……ていうか裏アカのこと叫ぶなよ!
私「わーわーわー!クロシマさんとコンドーさんってお知り合いだったんですね!(ぶりぶり)ランチもやってたなんて知らなかったなぁーわーおいしそー(汗)///」
言ってて猛烈に恥ずかしくなってきた。
クロシマ「そちらの方はカレシさんですか?」
私「いいえ違います」
クロシマ「だってさ!」
コンドー「いいなずけですから(キリッ)」
クロシマ「えっ、嘘でしょ?」
私「祖母の遺言を曲解しているだけです」
クロシマ「遺言には勝てないなぁ」
コンドーに対して自分の時とは違う、どこかあきらめたような一面を見せるクロシマさん。一体どういう関係なんだろう。私は思わず二人をきょろきょろしながら観察する。
コンドー「ああ、辞めたエースプログラマっていうのはこいつだよ」
な、なんだってー!
クロシマ「つい昨日のことのようだね」
私「どうしてエースなのにやめちゃったんですか?エースなのに!」
クロシマ「小さいころ、将来の夢はケーキ屋さんだったんだよ」
私「へえ、なんか納得した」
我ながらどこかぶっ飛んだ回答をしてしまった感がぬぐえない。でもクロシマさんは真剣に私を見つめ、一瞬、少し和らいだ表情を見せた。でもすぐにいじわるそうな笑みを浮かべて私に近づいてきた。
私「な、なんですか///」
思わず目をそらすが、クロシマさんは30cmくらいのところまで顔を近づけてくる。
クロシマ「ねえ、ツイッターに俺のこと何て書いたの?」
私「あばばばば;kぁwj;ふじこ」
手をばたつかせてパニくる私。あれは裏アカでのことなのだ。秘密は絶対厳守!
クロシマ「冗談だよ。きっと良いように書いてくれたんでしょ?ありがとう。うれしいよ」
私「……ふぅ。し、仕方ないなぁ。今日もミルフィーユ買って帰ろうかな」
クロシマ「まいどありがとうございます♪」
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