第7話 その名前はタイプA

私はまたまたスイーツを売っている店だ。さっきからイケメン店員がこっちを見てる。ちょっとどきどきが止まらない……。何かな。何かな?


クロシマ「こんにちは。僕はクロシマです、いつもありがとう。君がいつも幸せそうにケーキを買っていくのを見るがとっても嬉しくてね」


私「あ……///いやwそんな……(激汗)あはは。。」


クロシマ「あ、ごめん。驚かせるつもりはなかったんだ。ごゆっくりどうぞ(にこにこ)」


私の中で好感度アップのベルが鳴り響く。クロシマさんのことが気になってケーキ選びに集中できない。不覚!


私「(ちらちら)」


クロシマ「あはは。。(汗)」


だからと言っていきなりLINEしましょうって言うわけにもいかない。とりあえずミルフィーユ買って帰った。


……


帰り道は息が白くなるような繁華街。目の前に女子の群集が見える。俳優でもいるのだろうか。


?「あ、いたいた!おーい!探したよ!」


群集をかき分けるようにして一人の青年がこちらに駆け寄ってくる……って、え?私?


?「マネージャー!やっと合流できたね。次のスケジュールはあれだったよね?ああもういけない急がないと。みんな!今日はありがとう!」


とかなんとか言いつつ私の手をとると、群集とは別の方向に駆け足気味に引っ張りはじめた。


「えー、言っちゃうのー!」

「きゃー!がんばってくださーい!!」


群集が惜しむように声を上げる。


私「ちょっ!えっ?なに?」


青年はにっこり笑うと


?「しーっ。ごめん。今は合わせて」


ああ、あれだ。今、私、利用されてる!


私を握る手は細いけどどこか力強い。丸い帽子に眼鏡とマフラー。ちょっと童顔かも。


二つくらい角を曲がって地下鉄の駅に入る。


?「ありがとう。僕の名前はキリモ。『タイプA』っていうソロユニットのボーカルをやってるんだ」


私「そうですか……じゃあ私はこれで」


キリモ「ああ、ちょっと待って。別に誰でも良かったわけじゃないよ。あの時ちょうど君を見つけて……そう、その紙袋を大事そうに持ってる君の恋するオトメのようなほほ笑みを……」


あらやだ。私そんなにニヤニヤしながら歩いてたの!また顔が真っ赤になってる///


キリモ「横取りしたくなったのさっ」


うわっ、なんて小悪魔っぽい顔するんだろうこいつ……。これはやばい。早急に立ち去らねばキスとかされかねない。


キリモ「あ、なんか期待したでしょ」


私「し、してないから!」

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