つるっと6話目
「いや~、お前達のおかげで何とか勝つ事が出来たよ。」
鬼ヶ島の帰り金銀財宝を積んだ荷車を引きながら桃太郎は言った。その傍らには共に戦った犬、猿、雉が付き従っている。
「しかしなんだ…。申し訳ないが正直な話、俺はここまでの期待はしてなかったんだよ。キビダンゴ1個でこんなに働いてくれるなんてさ…。何でここまで付いてきてくれたんだ?」
桃太郎が問うと犬、猿、雉はおもむろに毛皮(?)を脱いだ。
「お…お前達は!!」
そこには三羽のツルがいた。
「私はあの時助けていただいたツルでございます。」
「私はその時とは別のあの時に助けていただいたツルでございます。」
「そして私はさらに別の時に助けていただいたツルでございます。いつか恩返しと思い化けてその機会をうかがっておりました。これで恩は返せたと考えております…。それでは…。」
そう言うと三羽のツルは空に飛んで行ってしまった。
「ありがとうツル達…。お前達の事は忘れない。」
見送る桃太郎だったが、「雉に化けるよりツルのままの方が強かったんじゃないの?」という疑問を拭い切れなかったのは言うまでもない。
ツルっと恩返し ポムサイ @pomusai
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