ツルっと5話目

「フハハハ…。勇者よ、よくここまでたどり着いたな。褒めてやろう。」


「黙れ魔王!!お前を倒し世界に光を取り戻してやる!!」


「やれるものならやってみるがいい!!」


 激しい戦いの後、倒れたのは勇者であった。


「くそ…ここまでか…。」


「そんなものか勇者よ。つまらん…また出直して来い。」


「な…なんだと!?とどめを刺さず見逃すと言うのか?なぜだ魔王!?」


「なぜ…だと?」 


 そう言うと魔王は漆黒のローブを脱ぎ捨てた。そこには1羽のツルがいた。


「お…お前は!!」


「はい。あの時助けていただいたツルでございます。あなた様に恩を返そうと魔王に化けておりました。」


「え?」


「え?」


「恩返し…で、魔王?」


「あ…。」


 ツルはしくじった事に気付き空へと飛び立って行った。


 なにやってんだツル…でも強かったな…。

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