輝けるエルバン
色彩雫さんでインク遊びの楽しさを知った僕が次に手を出したのは、エルバンのアニバーサリーインクでした。
このシリーズについては、万年筆探訪記本編にて、一度ご紹介したことがあります。
その時は、スリザリンカラーのエメラルドチボーと、鼻血色のカーマインでしたね。
当時はその二色にオーシャンとストームグレーを足した四色展開だったのですが、現在更に『キプロスのキャロブ(茶)』と『アメジスト(紫)』を増やしての六色展開となっております。
エルバン アニバーサリーインク最大の特徴は、ラメ。
紫以外には金の、紫には銀の微粒子がふんだんにふくまれており、これが文字の上できらきら光るのです。
チープなぎらぎら、ではなく、上品で細やかなきらきら感がとてもきれい。ただ、本当に粉の量が多いので、インクフロー豊かなペンで使うと、かなり光ります。
金粉がつまったときのことを考えて、僕は安価なカクノに詰めて使っています。もっとも使い始めて早一年以上、詰まったことは一度もありませんが。
また、インクの色自体にも、どっしりとした深み重みを感じます。
色彩雫の同系色と比較するなら、今回のアニバーサリーインクの方がツートーンほど暗めの印象です。
ラメ系インクの使い所は使い所がなかなか難しいように思います。書類や手紙には使えないですし。
けれど、ほら、見てみてください。
エメラルドチボーの濃い緑の中に、時折ひらめくレッドフラッシュ。きららかな金の粒子。
あるいは、血潮の色に似たカーマイン。ゆたかなインク溜まりに指を添えてこすることで、簡単に演出できる血痕……。
――素敵じゃありません?
どこが、とか聞かないでくださいね。鼻血の色好きなんです、僕。理由は前作参照のこと。
まあ冗談は置いといて。
この特別なきらきらは、いっとう特別な、たとえばプレゼントに添えるメッセージカードを書くのに使うなど、大変良いのではないでしょうか。
わくわくしながら受け取った包みに添えられたカード。それを開くと、見たこともないようなおしゃれなインクで書かれた祝福の言葉が――なんて。
いいなぁ。むしろ僕が受け取りたい。
そんな素敵な想像が捗る、冬の夜でありました。
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