第2話 過去から来た男

僕は、男性にペットボトルのお茶の飲み方を教えてあげた。

そして男性はお茶を飲むと、気持ちが落ち着いたのか、短冊のようなものと筆を懐から取り出し、俳句を詠んでいた。和服に俳句とは、相当日本の文化が好きらしい。


そして、詠み終えた後、僕は男性に尋ねた。

「あなたは誰なんですか?」

すると男性は、すぐに答えた。どうやら完全な記憶喪失ではないらしい。

「私は、松尾芭蕉というものです。」

僕は驚いた。かの有名な松尾芭蕉がすぐ目の前にいるんだから。

「あなたはあの松尾芭蕉さんなんですか?」

質問の意味が分からないようで、少し戸惑っている。

そして、僕は繰り返し尋ねた。

「あの有名な俳人の松尾芭蕉なんですか?」

質問の意味がようやく分かったようで、

「そうです、私が俳人の松尾芭蕉です。」


言い忘れてましたが、私(作者)は歴史的な言葉遣いでの表現が苦手なので、松尾芭蕉の発言は現代の言葉に変換させていただきます。


そして、僕は尋ねた。

「どうしてあなたが、あなたの時代より三百年以上も後のこの時代にいるんですか?」

彼は、何かを思い出したような表情をし、答えた。

「そういえば私は、近くの茶屋でお茶を飲んでいたら、どこからともなく黒子が現れて、私に『数百年後の未来に行ってみたくないですか?』と尋ねられ、『行ってみたい』と答えたんです。」

絶対その黒子怪しい。

「そして、私は気づくと、この世界で倒れていたんです。」

そして、その話を詳しく聞こうと思ったのだが、お腹が空いているし、夜も遅いので、今晩は家に泊めてあげることにした、

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