7. WHERE THE "BAG".
「あれ……。かばんちゃん?」
消えたかばん。
彼女を追うように、その場からサーバルは立ち上がる。
そしてテントの入口を開け、そこから顔を出し、外の様子を伺った。そしjて、少し時間が経ち。
「ねえハカセ。かばんちゃん、見てない?」
サーバルは、アフリカオオコノハズクにそう訊いた。
「ああ。かばんなら、『なにか声がした気がするので、少し見て来ます』って言って、さっきここから出ていったのですよ。」
アフリカオオコノハズクはそう答えた。
「そう……。」
サーバルは俯きながら、そう呟く。
「それにしても、変なのです。」
いきなり、アフリカオオコノハズクはそう、少し多めの声量でそう言った。
「ど、どうしたの?」
サーバルはそう、アフリカオオコノハズクへと、疑問を放った。
「かばんが、もう出てから小一時間ほど戻ってきていないのです。」
「え!?」
「もしかして、外で何かあったのでしょうか。」
サーバルはそれを聞き、慌てて外へと飛び出した。
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時間は少し遡り、昨日の夕方。
「うう~っ! ここは何処なのだぁ~っ!」
「そう言われても、知らないものは知らないよ。」
アライグマとフェネックは、迷っていた。
「はやくしないと、夜になってしまうのだ。どうすればいいのだ!」
アライグマは、そう叫んだ。
「アラーイさーん。とりあえず、眠れる所を探そーよー。」
フェネックは、息を荒げながらも、冷静沈着、そう答える。
「……わかったのだ。でも、明日になったらまた、帽子泥棒を追うのだ。」
アライグマは、眉を八の字に変えながら、そう言った。
「はいよー。」
フェネックは、そう返事を返した。
「フェネックフェネック! ここはどうなのだ!?」
アライグマはそう言って、枕に出来そうな位の大きさの、木の根元を指指した。
「うーん。でも、それじゃあ、雨とかが降ったら濡れちゃうんじゃないかな。
そうして、アライグマ、フェネックが、寝られるような場所を探していると。
「あれ、お前たちも来てたのですか。」
そう、後ろから声がした。
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「かばんちゃん! かばんちゃん!」
さて。時間は現在に戻り、サーバルは、そう叫び、涙を浮かべながら、木しかない森の中を、ただひたすら、走っていた。
「かばんちゃん! かばんちゃん!」
(いやだ! いやだいやだいやだ! かばんちゃんがいなくなるなんて、絶対にいやだ!)
あの夢の事を思い出しながら、ただ、ひたすらと。
『サーバルちゃん。逃げて!』
サーバルの中のかばんはそう言う。
「やだ! わたし、逃げないよ! かばんちゃんがいなくなったら、絶対嫌だもん!」
そして、サーバルが顔を上げる。
「あっ。ここって……。」
そこには、夢の中で、かばんがいなくなった場所と、同じような景色が広がっていた。
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