6. PROLOGUE?

『ん……。』

 森のなかで、サーバルは目覚めた。

『どこ? ここ……。』

 辺りを見回し、そう呟く。

『かばん、ちゃん……?』

 かばんがいない事にサーバルは気付き、歩き始める。


『う、うわあああアアァァアアア!!』

 どこかで叫び声が聞こえ、サーバルは「ビクッ。」と声がした方向へと耳を向ける。

『かばんちゃんの声……? 叫んでる!?』

 その声の正体に気付き、サーバルは脚の動きを早める。

『かばんちゃん!? どこにいるの!?』

 サーバルはそう叫び、走り回る。

『……ここだよ。サーバルちゃん。』

 サーバルは、その声がした方向へと再び耳を向け、そして振り向く。






 そこには、腸を深く抉られ、血塗れで横たわるかばんの姿があった。

『……かばんちゃん!? どうしたの!? 今、ジャパリまん出すから、ほら、食べて!』

 サーバルはそんなかばんに対し、そんなことを言った。

『サーバルちゃん、良いんだよ。それは、サーバルちゃんが食べるものでしょ?』

 かばんはサーバルへと、そんな言葉を返した。

『え……、でも、かばんちゃんは……』

『だから、良いんだよ。サーバルちゃん。そんな事より……。』


『ここから……、早く、逃げて!』


『え、でも、かばんちゃん!』

『いいから、早く逃げるのです。じゃないと……。』

 アフリカオオコノハズクはサーバルに言い、上を向き……


『ヴァァアアアアアァァァァアアアアアァァァ!』


『殺られてしまうのです。』

 アフリカオオコノハズクはそう言い、サーバルを抱き上げ、空へと舞い上がった。

『……お願いします。ハカセさん。』

 かばんがそう言うと、辺りは砂煙に包まれた。

『そんな……! かばんちゃんが……!』

『もう、いなくなってしまったのです。いなくなってしまったものは仕方がないのです。』

『かばんちゃん!かばんちゃん!』)

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   ■  ■■

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  ■  ■  ■

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「かばんちゃん! かばんちゃん!」

「なんだかサーバルがうなされているのです。うるさくて寝られないのです……。」

 アフリカオオコノハズクはそう言い、布団へと潜り込む。

「か……ちゃ……! か…………ん!」

「やっとうるさい音が軽減したのです。……でもまだうるさいのです。」

 アフリカオオコノハズクはそう言うと、上半身を起こし、サーバルの体をユサユサと揺すぶる。

「サーバル。うるさいのです。静かにするのです。」

「……ん。ここは……。あ、ハカセ。」

サーバルは目覚め、そう返事を返した。


そして、あることに気が付いた。




「あれ? かばんちゃん?」

すぐ、横で寝ていたはずのかばんが、まるで何もなかったかのように、







姿を消していたのだ。

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