5. WELCOME TO DEFERENCE WORLD.Ⅲ
「……あれ? ここはどこなのだ?」
アライグマは、目が覚めて最初にそう言った。
――見慣れない景色。
アライグマは辺りを見回す。
「……フェネック、いないのだ?」
そう呟くと、アライグマは地に足を着き、ゆっくりと立ち上がる。
「……。」
アライグマは何も言わず、歩き始めた。
その瞬間。
「わっ!」
「ぴゃあ~~~~~っ!?」
アライグマに気付かれないよう、木陰に隠れていたフェネックが姿を表し、そう叫んだ。
「アワワワ……!」
その叫びを聞いたアライグマは、驚愕し、後ろへと倒れ、尻餅をついた。
「アハハハッ! アラーイさーん。驚き過ぎだよー!」
フェネックがそう言い、悪戯に微笑む。
「ふぇ、フェネックなのだ!? 驚かさないでほしいのだ! 心臓が止まるかと思ったのだ!」
アライグマはフェネックに、怒りの感情を少し混ぜながらそう言った。
「ごめーん。ごめーん。アライさんは、相変わらず可愛いなー。」
フェネックはアライグマを見つめ、そう言う。
「……それよりも、ここ、どこなのだ?」
アライグマはフェネックにそう言う。
「そーいえば。たしかに、ここ、いったいどこなんだろーねー?」
フェネックがそう言い、二人はしばらく辺りを見渡す。
「まあ、このままここにいても仕方ないしー、アラーイさーん。とりあえず歩こーよ。」
フェネックがそう言うと、アライグマが「分かったのだ!」と言って、二人で歩きだした。
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「ハカセたち、行ってしまったのです。」
ワシミミズク、かばん、サーバルに取り残されたワシミミズクは、さけめがあった場所から少し離れた場所にいた。
「もうすぐ日没……、なるべくはやく、この森から出なきゃなのです。……ハカセたちは大丈夫なのでしょうか……。」
そのあとしばらく、静寂の音が鳴る。
「……とにかく、行かなきゃなのです。」
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「大分暗くなってきたのです。かばん、何かばすてきなものは作れませんか?」
アフリカオオコノハズクはかばんに、そう話しかけた。
俯いていたかばんは、その言葉に耳を傾け言う。
「あ、はい。ありますよ。……。」
「どうしたのです。かばん。早く出すのです。」
「……はい。」
かばんは暗い表情をしながら、四角錐のテントを取りだし、その準備をし始めた。
「準備できましたー。」
かばんはそう言った。
「……という訳で、今日はここで野宿なのです。あまり騒がないようにお願いするのですよ。」
アフリカオオコノハズクはかばんとサーバルの二人に対してそう言った。
「……分かりました。」
「分かったよ……。」
二人はそう返した。
そして、ワシミミズクを置き去りにしたアフリカオオコノハズクを、止められなかった事を悔やみながら、眠りに着くのだった。
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