4. I DON'T KNOW WARP ZONE.
「忘れたって……。どうするのです! 帰れないのですよ!」
アフリカオオコノハズクはそう言った。
「ごめんなさいなのです……。ハカセ、お願いだから許してなのです。」
ワシミミズクはそう言った。
「……まあ、忘れたものは仕方ないのです。いくのですよ。……かばん、サーバル。」
アフリカオオコノハズクはそう言った。
「あの、ハカセ……私はどうすれば……!」
ワシミミズクはそう訊いた。
「知らないなら、勝手に行動すれば良いのです。付いてくるんならご勝手に。なのです。」
アフリカオオコノハズクはそう言い放った。
「ハカセ! ハカセ!」
ワシミミズクは何度も叫んだ。
しかし、アフリカオオコノハズクはその言葉には応じず、ただ、進んで行った。
「あの、ハカセさん、ちょっとやりすぎですよ!」
かばんはアフリカオオコノハズクにそう言った。
「知らないのです。帰ることが出来なくなったのは助手のせいなのです。」
アフリカオオコノハズクはそう言った。
「でも……。」
かばんは俯いた。
「ねえねえハカセ! 助手がいないよ!」
サーバルはそう言った。
「分かっているのです。サーバル、鬱陶しいのです。」
アフリカオオコノハズクはそう返した。
「……。」
サーバルも、かばんと同様に俯いた。
(悪いのは助手なのです。私ではないのです。)
アフリカオオコノハズクは、自分にそう言い聞かせた。
だが、それと共に込み上げる“罪悪感”が、彼女を襲った。
(……絶対に、悪いのは助手なのです。帰る道を忘れたやつが悪い……、はずなのです。)
そんなことを言い聞かせ、自分の心をわざと傷つけたのだ。
だが、その行動は、やがて自分を追い込み、ひどい後悔を生んでしまう事に繋がることを、彼女はまだ知らない。
「はあ、はあ、はあ、はあ。ダメなのです……。どれだけ進んでも、森しかないのです。森だらけ、なのです。今日は、ここで寝泊まりなのです。かばん、サーバル。これ、夕食なのです。」
アフリカオオコノハズクはそう言って、かばんとサーバルに、ジャパリまんを渡した。
「ありがとう、ございます……」
「あ、ありがとう。」
かばん、サーバルはそう、ぎこちなく言葉を返した。
そんな二人の表情には、いつも通りの「たーのしー!©コツメカワウソ」といった感情は、何一つ含まれていなかった。
あるのは一つ。
“無”。
ただ、それだけだった。
***********
▼■■■■■▼
■ ■ ■
■ ■ ■
■■ ■
***********
「アラーイさーん。ちょっと待ってよー。」
フェネックはそう言った。
「そんな暇はないのだ! 帽子泥棒を捕まえないと、パークは危機なのだー!」
アライグマはそう答えた。
そして今、二人はある場所にいた。
それは、今回の異変の、始まりの場所。
黒セルリアンが、何者かに噛まれ、粉砕した、あの場所だった。
「……ねえ、アライさん。なんだかこの山、様子おかしくない?」
フェネックはあるものに気付き、いつもの口調を崩して、そう言った。
「? どこがなのだ? いつもどおりの、かざんなのだ。」
アライグマはそう答えた。
「アライさん。よく見なよ。ほら。ここら辺とか。いっぱい黒い石、転がってない?」
フェネックはそう言った。
「本当なのだ! これは何なのだ!?」
アライグマはそう叫んだ。
「そういえば、こっちにセルリアンがいるって話、あったよね? それじゃないかな?」
フェネックはそう言った。
「セルリアンが帽子泥棒なのだ? じゃあ、そのセルリアンはどこなのだ?」
アライグマはそう返した。
「アライさん。まだ気づいてないの? ほら。この石、きっとセルリアンのかけらだよ。」
フェネックはそう言った。
「そうなのだ!? それにしても、随分量が多いのだ! 大分大きいセルリアンなのだ! そんなの倒せる……ここまでバラバラに出来るフレンズなんているのだ!?」
アライグマはそう言った。
「アライさん。それはいるかも知れないよ? それとこっち。誰かの足跡、この辺で消えてない?」
フェネックはそう言った。
「確かになのだ。もしかしたら、この先に帽子泥棒がいるかも知れないのだ! フェネックも、行くのだ!」
アライグマはそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます