episode7

〈仭side〉


はああ…久しぶりに…見たい


ウズウズするほどの


他人(ひと)の苦痛に歪めた顔を


痛がる姿(ようす)を


つんざくほどの悲鳴を


仭「龍、行くぞ」


龍「え?あ、はい!で、どこへ?」


仭「"どこへ? "決まってんだろ。人殺しさ」


龍「……」


仭「嫌ならいつだって逃げ出してもいいんだぞ。その代わり即殺すけどな」


龍「逃げるわけないじゃないですか。逃げるくらいなら弟子入り?もしてませんよ」


仭「そりゃそうか」


狙うのは1人で夜、街灯も無い所を歩いている奴


仭「みーつけた!ハハッ」


「あ、お前誰だよっ!」


怯えた様子で大声を出す


仭「あぁ、どうも初めまして殺人鬼です。そしてーーーさようなら」


グサッ 脇腹をまずは1刺し


「かはっ…お…まえ…」


仭「うるせぇ…でももっと、その苦痛に歪んだ顔を見せて」(ニコッ)


「うっ…カハッ…誰…か…」


龍「誰か助けに来るとでも?こんな路地に?無理だから。後悔するならこんな路地に入った自分の行動に後悔してください」


刺した疵(キズ)を踏みにじる。そうすると…


「あぁぁっ!!かはっ…」


さっきよりも大きな悲鳴、それと苦痛に歪んだ顔を見せてくれる。


仭「君、いいねぇ。写真撮っといて。あ、顔のね」


龍「はい」


パシャッ カメラのフラッシュが光る


龍「どうです?」


仭「うん。いいねえ。この苦痛に歪んだ顔」


でも、もういらない


仭「君、もう用ないから。龍、こいつにトドメ刺しといて」


龍「はい。さようなら」(ニコッ)


〈龍side〉


仭さんにトドメを刺せって言われたから笑顔で刺しておいた。


龍「終わりましたー」


仭「おつかれ〜」


龍「あ、これさっきの写真です」


仭「サンキュ。やっぱいいわぁ〜!ハハッ」


ここに来てわかったこと。仭さんの人殺しは意外と飽きっぽい。そして一度急所をハズシテ人の苦痛に歪む顔を見て楽しんでからトドメを刺す。


仭「あ、今度移動(ひっこし)すっから」


龍「はい。いつ頃でしょう」


仭「あー、一週間〜二週間ぐらい…かな。何か、あったじゃん。" しがない運び屋 "と"何でも屋"が名刺くれたろ」


龍「そーいえば、貰いましたね」


仭「そいつらに仕事と家頼んだら、仕事回してくれてーあと、家用意してくれるらしいから」


龍「それ、安心して大丈夫です?」


仭「あ?問題ない」


龍「なら、いいんですけど…」


本当に大丈夫かよ…僕は少し不安だ…

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