episode6
〈夜side〉
星「さ、自己紹介も終わったし、お仕事様しょーか!」
夜「そーね。そーしてもらえるとありがたいわ」
久々のアタリっぽい依頼だからここに来る前からすごく楽しみだった
でも、
張り詰めた空気 さっきで満ちた目
高鳴り出す鼓動
こんなにウズウズするのは久しぶりで、
さぁ 楽しませて
理性が消えてしまいそうになるのも、きっとこの感覚が久しぶりなせいだ。
さっきから腕を握っている手にどんどん力が入っていく。
夜「もうそろそろ、殺りたいの我慢できなくなりそーなんだよ」
早く、 早く遊ぼう?
星「じゃ、俺はあのガキ?」
夜「だな。でもどーすんの?」
星「殺すかどうかってこと?それの事なら、お前がアイツ捕えてから依頼人(クライアント)に聞く」
夜「あっそ。じゃ早くしろ」
龍「バカですか。そんな簡単に捕まると?」
星「まぁ、ご命令だから…」
そう言いながら普通に歩み寄っていく星。
星「じっとしててもらいますよぉ、お嬢さん」
その瞬間距離を詰めて後ろに回り首元にナイフを当てる。
星「捕まえたっ!…ハイ、あとはお好きにー」
夜「じゃ、エンリョなくやりますよ」
手袋をはずし、吸ってたタバコを握りつぶした。
今から楽しい時間の始まり始まりーっ!
夜「なぁ、仭さんよぉ。最近俺スッゲェ暇なんだわ」
仭「知らねぇなぁ!つかコッチは名乗ってねぇぞ」
星「あぁ、すいませんが調べさせて頂きました」
仭「人権とかいう奴にひっかからねぇの?」
星「その点はご安心を。あ、前見てないと危ないですよ?」
仭「あ?ぐはっ」
夜「いいねぇ、その顔!楽しい!フフッハハハハハッ…」
仭「笑ってんなよ!」
夜「くっ…」
俺は久しぶりの痛みに顔を歪めた。それでさえも楽しくて笑みがこぼれる
夜「フハハハハハッ…」
仭「おい!コイツ大分狂ってんじゃねぇのか」
星「はい。そうかもしれませんねぇ」
メッチャ楽しい。殴り合いをしているだけで楽しい。
夜「ホラホラ!油断してんなよ。仭さんッ!」
仭「ちっ…!この…」
夜「うっ!?」
ナイフが腕に突き刺さる。でもそんな事構わない。
夜「ハハッいったーぁ!…でも、これもーらいっ」
刃の部分を掴んでナイフを奪い取る。
仭「まぁ、それ意味ねーぞ?」
夜「うぇ?」
シュッと腕を振ると袖口からナイフがもう一本。
夜「マージでぇ?面白れぇなやっぱ」
一度距離をとって体勢を整える。右手も左腕からも血が流れている。その滴る血を舐めてみる。
久々、 久々だ。
楽しい
自然に、無意識に笑い声が漏れる。
夜「ハハッ…ハハハハハハハハハハッ!!アハハハハッ、ハハハッ!!」
あぁ、あー、あぁ…
夜「あー、楽しい…!!」
狂気に気圧されたのか、相手も一歩下がる。その一瞬で距離を詰めていく。
仭「な…っ!?」
あと数センチで刃が届く。
というところで空気も読まずに着信音が鳴る。
星「はい、もしもし?今良いトコで…後にしてくださいよ!」
本当にその通りだと思いながら星を睨む。
当の本人は目を反らしている。
星「とりあえず…目線で殺されそうなんで切り…ってえ?は?依頼?……っはぁぁぁぁ!?500万!!?ごっ5万じゃなくて?いやいやいやいやいや!帰ります。3分以内で!!!じゃぁ!」
と、ものすごい勢いで会話を終えて携帯をなおす。
星「夜、この件終わりだ!行くぞ!」
夜「はぁ!?テメェ、ざけんな殺すぞ!!」
星「一人につき500万」
夜「は?」
星「そんだけ入る依頼が来たんだよ!」
夜「は……!?つまり…俺とお前だと…」
星「1000万!!」
夜「頭痛ぇ…!嘘だろ…?」
星「という訳で御嬢さん、これをどーぞ」
と、女から手を離す。
星「今日の、あなた方を捕らえろという依頼は聞かなかったことにしましょう。後もしご依頼があればその番号に電話するか、その住所に来てください。タダで、勿論なんでも承りますよ」
と、子供っぽい笑みを浮かべる。相変わらず切り替えが速い。
星「んじゃあ、またお会いできたら」
1人手を振ってさっさと行ってしまう。
夜「じゃ、俺もー…っあ、遊び足りないから今度またきていいー?仭さん」
仭「また会うことがあったらな」
夜「やっりぃ!そんじゃ、またなお二人さん」
星のとこまで走りながら、手を振って別れた。
星「久々じゃん、血ィ流してんの」
夜「んーまぁな」
星「どう、仭(あれ)は?」
夜「んー?そうだな…お気に入りだよ
また…いい玩具(モン)が、見つかった」
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