episode2

〈夜side〉


夜「あーあ、また派手にやったな。クソ面倒クセェ。まぁ、片付けるか…」


そう言い放ち、1人せっせと片付け始めた。


俺は運び屋。しがない運び屋だ。


それ以上でも、それ以下でもない


夜「つまんねーな、最近」


本当最近ロクな依頼がない


面白ぇ事でもねーと本気で脳が腐りそうだ


1人そう思いながら片付けると、ケータイが鳴り出した。


夜「はい、もしもし」


「久しぶりだなァ、夜」


夜「何だお前か。じゃあな」


「ッザケンな、テメー!用件ぐらい聞け!」


夜「さっさと言え。メンドくせーな」


「どーせ退屈してんだろ。こっちに面白そーな依頼(ヤツ)来たからお前に回すわ」


夜「どーゆー依頼だ?」


「仭って奴を生け捕りしろっつー依頼だ。金も結構出すって話」


夜「何で俺に譲るワケ?まさか、結構面白そーな奴?」


「その通り。ま、うわさだけだがな。マジだったら良いモン観れそうだったから」


夜「ふーん。観戦目的かよ。ま、何でも良いや、サンキュ」


「いえいえ。あとで細かい情報送るわ。じゃーまた実行する日にな」


夜「あぁ、じゃあな。星。…あ、その日の依頼お前に回す」


星「は!?ちょっと待っ」


アイツが全部言い終える前に切って息を吐き出す


目の前にいつの間にか黒猫がいた。


少しずつ近づき、逃げられる前に抱き上げて猫なで声で話しかける。


夜「なぁ、面白そーな奴だってよ。どんな奴だろ、なぁ?」


「ミャオ」と猫が鳴くと、急に平静を保てなくなる。


あぁ、感じたい 痛みを

恐怖を 死ぬほどの快楽を


夜「フッ、ハハハハハッ!アハハハハハハッ!!

…せいぜい頑張って楽しませてみろよな」


いつの間にか、そんな声が漏れていた…

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