登場人物紹介 5

・カイエン・グロリア・エストレヤ・デ・ハーマポスタール

 ヒロイン。

 体の中に蟲と呼ばれる寄生器官があるために、歩行が不自由。

 帝都の治安を預かる大公軍団を率いるハウヤ帝国帝都ハーマポスタール大公。20歳。

 ハウや帝国帝都ハーマポスタールの治安維持権(治安維持部隊)の他に、帝都の防衛権(帝都防衛部隊)も担っている。ただし、大公軍団はあくまでの大公個人の私兵集団である。

 18歳の春から苦労の連続。第三話の最後に、シイナドラド皇国の皇太子の結婚式に参列するためにシイナドラドへ赴いた。そこで星教皇に無理やり即位させられる。また、シイナドラド第二皇子エルネストの子供を妊娠することとなったが、帰国後に流産。皇后アイーシャの生んだ皇女、リリエンスールを養育することとなった。

 妹で従姉妹に当たるオドザヤが即位したため、帝国の重鎮とならざるを得ない地位となる。オドザヤと共に、先帝サウルから「星と太陽の指輪」を継承した。



・ヴァイロン・レオン・フィエロ

 今のところのヒーロー。獣人の血を引く帝国軍フィエロアルマ将軍であったが、「春の嵐」事件で大公の男妾に落とされる。事件解決後に復職を命じられたが拒絶するほどのクソ真面目というか一徹者。

 カイエンをおのれの番つがいと認識しているので、カイエンは彼の唯一無二の存在。

 その後、カイエンによって新設の大公軍団帝都防衛部隊部隊長に任ぜらせる。第5話始めで26歳。



・リリエンスール・エスペランサ・マキシマ・デ・ハウヤテラ

 第三話の最後で、皇后アイーシャの生んだ皇帝サウルの第四皇女。

 カイエンの母を同じくする妹で従姉妹。0歳。通称リリ。

 カイエンと共有していた夢の中で、カイエンの流産した胎児と融合したらしい。元は両眼とも琥珀色だったが、出生時には右目が灰色で左目が琥珀色になっていた。

 カイエンと髪の色が同じで、よく似ている。



・ハウヤ帝国第19代皇帝オドザヤ・ソラーナ・グラシア・デ・ハウヤテラ

 皇后腹の第一皇女で第二話最後に立太子し、皇太女となった。その後、父、皇帝サウルの死ののちに即位。19歳。

 カイエンとは母を同じくする異父姉妹で従姉妹でもある。第三話でカイエンが母を同じくする姉妹であることを知った。

 リリエンスール皇女は父も母も同じ妹。

 アルコール依存症の母、アイーシャに長年悩まされていた。



・シイナドラド皇国第二皇子エルネスト・セサル・ガロピン・デ・ドラドテラ

 現在のシイナドラドの第二皇子。27歳。大公カイエンの配偶者。

 子供の頃、密かにハウヤ帝国に入国し、前大公アルウィンの秘密の館、「桔梗館」に来ていたことがある。

 婿入り前に三番めの名前、ガロピンを父王バウティスタから授かった。ちなみにその意味は、「暴れ馬、ならず者、悪戯小僧、そして“疾走する者”」という意味である。



・マテオ・ソーサ

 元・帝国軍士官学校教授。大公軍最高顧問に就任する。戦術学が専門。

 小柄で枯れた中年で多分44、5歳。あだ名は悪魔メフィストフェリコ。

 いろいろあって、大公宮の後宮に引っ越してきて住んでいる。

 猫好き。



・大公軍団長イリヤボルト・ディアマンテス

 通称イリヤ。甘い顔つきの美形イケメン。大公の私軍を率いる団長。とうとう三十路。通常モードではおしゃべりで剽軽だが、裏の顔は怖い。

 うなぎのようなつかみどころがない男。実務能力アリアリの大公軍団軍団長。

 黒っぽい鉄色の髪、鉄色の瞳。ちょっと猫背なので、本当は身長190センチくらいあるがそうは見えない。



・マリオとヘスス

 双子の治安維持部隊隊長。真面目。あまり表情が変わらない。一卵性双生児なので、髪の分け目でしか区別がつかない。



・騎士シーヴ

 差別されている階級から、エミリオ・ザラ将軍の後ろ盾で騎士に上りつめた。カイエンの護衛。外出にはついて回る係。自分の出自にはあまりこだわりがなく、実力で上がってきた天才肌。現実的な性格。

 本当の名前は、シヴァ・ラ・カイザ。ハウヤ帝国初代皇帝が滅ぼした王国の王の直系の子孫。

 浅黒い顔に亜麻色の髪。目の色は胡桃色。

 21歳。彼は自分の誕生日を知らないので、年齢は大体の数字。



・ガラ

 帝国宰相サヴォナローラの弟で、無位無官の「人の形をしたイヌ」。獣人の血を引いており、嗅覚に優れる。

 なぜか、大公宮の後宮に住み着いている。

 カイエンのシイナドラド行きに同行した。



・北のナシオ

 南のシモン

 元はザラ大将軍の「影使い」、東西南北の中の一人だったが、東と西はシイナドラドで死んだので、南のシモンと二人、大公宮へ派遣されている。



・ハウヤ帝国宰相サヴォナローラ

 アストロナータ神殿の神官で、皇帝サウルの私的な内閣大学士であったが、「春の嵐」事件解決ののち、宰相府を与えられ、宰相に抜擢された。年齢30前後。

 濃い灰色の髪、真っ青な瞳。獣人の血を引いているが、その特徴は現れなかった。ガラの兄。



・エミリオ・ザラ将軍

 帝国軍の大将軍で元帥府の長。将軍の中で一番の年長。実力者。カイエンの執事アキノの里であるプエブロ・デ・ロス・フィエロス出身の母を持つ。そのため体内に蟲があるが、運動能力に問題はない。



・コンスタンサ・アンへレス

 皇帝オドザヤの宮廷女官長。カイエンやオドザヤには好意的。



・ヘクトル・クリストラ公爵 

 カイエンの義理の伯父にあたる。ハウヤ帝国東端、ベアトリア国境に近いクリスタレラの領主。



・ミルドラ・ルース・カンデラス・ハウヤテラ・デ・クリストラ公爵夫人

 皇帝サウルの妹で、前大公アルウィンの姉。カイエンの伯母にあたる。降嫁してクリストラ公爵夫人となった。



・クリストラ公爵家令嬢バルバラ

 クリストラ公爵とミルドラの次女。公爵家の後継。



・テオドロ・フランコ公爵

 ハウヤ帝国元老院長。

 元老院は形式的なもので、皇帝の諮問機関ではあるが、宰相サヴォナローラが立てられた今、権限はなきに等しい。だが、大貴族の議員たちのまとめ役として、皇太女オドザヤを支えるべき柱の一人に皇帝から指名された。

 領地はハウヤ帝国北部ラ・フランカ。



・フランコ公爵夫人デボラ

 その妻。カレスティア侯爵家の出身。



・ナポレオン・バンデラス公爵

 ハウヤ帝国南方、モンテネグロを領地とする公爵。



・ハウヤ帝国皇后アイーシャ・ディアナ・マスカレニャス・デ・ハウヤテラ

 37歳。皇帝サウルの弟である、大公アルウィンの妻でありながら、皇帝に請われて皇帝の妻、皇后に立った。大公妃としてカイエンを、皇后としてオドザヤとリリエンスールを生んでいる。カイエンの実母であることは公然の秘密。

 皇女リリエンスールの出産後、皇子を産めなかったこと、リリの体内にカイエンと同じ蟲があることを知らされてから錯乱したまま。



・第三妾妃マグダレーナ

 東の隣国ベアトリアの第一王女。

 一度国内で臣下に嫁いだが、子を産んだのちに夫と死別する。すでに出産経験があることから、二人の子を故郷に残し、妹王女の代わりに皇帝サウルに指名されて嫁いできた。

 自らの第三子である皇子フロレンティーノを出産。27歳。



・フロレンティーノ・レジェス・プリモ・デ・ハウヤテラ

 第三妾妃マグダレーナの生んだ、皇帝サウルの第一皇子。0歳。

 父である先帝サウルには似ておらず、母のマグダレーナ似。



・ネファール王太女カリスマ

 先帝サウルの第ニ皇女。母は第一妾妃である、属国ネファールの王女ラーラ。

 母の故郷であるネファールの王太女となった。



・皇女アルタマキア

 皇帝の第三皇女。母は第二妾妃である、自治領スキュラの公女キルケ。

 スキュラの後継者となるべく旅立つが、スキュラの元首夫人イローナの実家であるマトゥサレン一族に拉致される。



・第一妾妃ラーラ

 ハウヤ帝国の北東に位置する属国ネファールの王女。



・第二妾妃キルケ

 ハウヤ帝国北方にある、帝国内の自治領スキュラの公女。



・ジェネロ・コロンボ

 ハウヤ帝国軍、フィエロアルマ将軍。ヴァイロンの辞任とともに将軍に任命された、元・副官。

 商店を営む妻と、息子と娘がいる。

 カイエンのシイナドラド行きの警護を務めた。



・ブラス・トリセファロ

 ハウヤ帝国、ドラゴアルマ将軍。



・ガルシア・コルテス

 ハウヤ帝国、サウリオアルマ将軍。



・マヌエル・カスティージョ伯爵

 ハウヤ帝国、コンドルアルマ将軍。



・トリニダード(トリニ)・コンドルカンキ

 大公軍団の第1回女性隊員募集で合格した。

 その後、治安維持部隊に配属。

 マテオ・ソーサの私塾の大家で、私塾の学生だった。父親が螺旋帝国人。螺旋帝国の武術の達人。



・ホアン・ウゴ・アルヴァラード

 トリニ、ディエゴ、ルカの幼馴染。マテオ・ソーサの弟子。

 帝都の「黎明新聞」の記者。



・ルカ・エヴァンヘリオ

 トリニとディエゴの幼馴染。マテオ・ソーサの弟子。国立医薬院卒業の町医者。



・サンティアゴ(ディエゴ)・リベラ

 マテオ・ソーサの私塾の弟子。両替商の後継。

 第二話で殺人事件のとばっちりを受け、怪我をした挙句、留置場に入れられた。



・ロシーオ・アルバ  

 トリニと同じく、大公軍団の第1回女性隊員募集で合格した。その後、帝都防衛部隊に配属。

 子持ち。獣人の血を引く息子の名は「ティグレ」。

 獣人の血を引いているらしく、猫のように身軽。



・ブランカ・ボリバル

 第1回女性隊員募集で合格した。その後、帝都防衛部隊に配属。現在は皇帝オドザヤの護衛として派遣されている。

 子持ちで、子供は故郷に残してきている。

 元はカイエンの後宮の女騎士であった。カイエンの執事、アキノの里の縁者。



・イザベル・マスキアラン  

 第1回女性隊員募集で合格した。その後、治安維持部隊に配属。

 “メモリア”、カマラの従姉妹。

 その時に聞いた人々の話を、相手が一人だろうと複数だろうと、一言一句、残さずに聞き取り、記憶し、そして再生できる能力者。



・ルビー・ピカッソ

 大公軍団第二期女性隊員。元、女神グロリア神殿の武装神官。とにかく女丈夫。治安維持部隊所属だが、現在は皇帝オドザヤの護衛として派遣中。



・フリーダ・ポンセ

 大公軍団第二期女性隊員。帝都防衛部隊所属。



・リカルド

 アストロナータ神殿の武装神官。

 宰相サヴォナローラの弟弟子。現在はサヴォナローラの護衛。



・リタ・カニャス

 皇宮後宮の女騎士から、オドザヤの護衛に抜擢された。



・執事アキノ

 カイエンの執事。

 父の代から大公家につかえる。

 カイエンと同じく蟲が体内にあるため、やや足が不自由。



・乳母サグラチカ

 カイエンの乳母。アキノの妻。



・ヴィクトル・ザラ子爵

 エミリオ・ザラ大将軍の母親の違う兄。カイエンのシイナドラド行きへ随行した。外交畑の専門家。



・ジョランダ・オスナ

 皇后アイーシャのお付き女官。アイーシャの遠縁にあたる。

 アイーシャがアルコール依存症になる原因を作った。



・モンテサント伯爵ナザリオ

 ジラルディ・サクラーティ公爵の次男。マグダレーナの夫だったラザロの弟。

 新ベアトリア大使。



・親衛隊長ウリセス・モンドラゴン子爵

 皇宮の親衛隊隊長。



・フィデル・モリーナ侯爵

 フランコ公爵テオドロの庶兄。モリーナ侯爵家へ養子に入った。



・前大公アルウィン・エリアス・エスピリディオン・デ・ハーマポスタール

 カイエンの実父。44歳くらい。

 五年前におのれの死を偽装してカイエンのもとから去った。シイナドラド国内で影響力を持ち、螺旋帝国の革命への関与も疑われ、カイエンによって「帝国への反逆罪」によって告発される。アストロナータ信教から分派した、「桔梗星団派」の党首を名乗る。党首としての呼び名は「チェマリ」。

 現在は螺旋帝国へ向かったとされている。



・ミモ

 大公殿下の飼い猫



・スキュラ自治領元首エサイアス

 北方スキュラの元首。皇帝サウルの第二妾妃キルケの兄。



・スキュラ自治領元首夫人イローナ

 自治領スキュラの北にある北海の向こう岸である、マトゥランダ島のマトゥサレン一族出身。



・マトゥサレン・デ・マール

 ラ・パルマ号事件の鍵を握ると思われる謎の人物。



・フランセスク・バンデラス

 バンデラス公爵の庶出の息子。未だ嫡男として立てられてはいないが、一番上の息子。



・エンペラトリス・バンデラス

 バンデラス公爵の庶出の長女。その名には父親のある想いが込められている。



・前バンデラス公爵夫人サンドラ

 ナポレオン・バンデラス公爵の母。ハウヤ帝国北東に位置するザイオン女王国の出身。



・魔女スネーフリンガ

 大人のように喋る幼児、魔術師アルットゥを連れた奇術師一座の一員。



・魔術師アルットゥ

 スネーフリンガとともに舞台に出てくる、二、三歳の幼児。



・ザイオン女王チューラ

 ハウヤ帝国の北東、オリュンポス山脈の向こうにある国、ザイオン女王国の女王。



・王配ユリウス

 ザイオン女王チューラの配偶者。エレオノール王太女、ジョスラン、リュシオン王子の父。



・シリル・ダヴィッド子爵

 ザイオン女王チューラの愛人。第三王子トリスタンの父。



・ザイオンの三王子

 長男:ジョスラン

 次男:リュシオン

 三男:トリスタン



・ホアキン・カスティージョ

 サウリオアルマの、マヌエル・カスティージョ将軍の息子。

 親衛隊員。



・ヴィクトル・カバジェーロ

 大公軍団治安維持部隊、皇宮前広場署の署長。



・レオナルド・ヒロン

 「自由新聞リベルタ」主筆。



・キケ・ピンタード

 「奇譚画報」の記者。



・アルフォンシーナ・デ・カサノヴァ

 高級娼館の娼婦。カイエンと声や体つきが似ている。エルネストの敵娼あいかた。



・リュリュ

 アルタマキアに押し付けられた二人の「夫」の一人。



・シュトルム

 アルタマキアに押し付けられた「夫」の一人。

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