ちいさな丘で
せっかちうさぎのところへ帰ったときには、辺りはすっかり暗くなっていました。それでも道が見えたのは、りすからもらった光るどんぐりのおかげです。
「まあまあまあまあ、みんな連れてきてくれたのかいありがとう」
「あはっはは。きみ、なんだいそりゃあ」
「とても温かくて気分がいいんだ」
そりゃけっこうだがね、ときまじめうさぎが答えます。
「もう夜になっただろう。この人たちの
「えっ、林檎ってなんのことだい」
きまじめうさぎは、どうやらあなたたち以上に気をもんでいたようです。せっかちうさぎに、ことの
うんうんと何回も頭をふったせっかちうさぎが、
「それならどうぞ
と言うと、
「でもそれって、森のお祭りなんでしょう?」
ブルームが心配そうに聞きました。
「はっはっ。平気、へいき」
「わたしらのあとに、ついてくればいいんだから」
「……こんなに気もちのいい寝どこなら、……ぷう。みんな
あなたの肩からさがったままの、ねぼすけうさぎまでが、いびきまじりに
せっかちうさぎを先頭に、どんぐりの
お月さまのすがたは見えませんが、うす桃から
右の道、左の道をいくうちに、ブルームがちいさな声で言いました。
「店主さん、見てください」
あなたはもちろん見ていました。
重そうな実をさげたいろいろな果物の木が辺りに茂ってきています。
ぐみや
最後に大きな
「ああ間に合った。こちらへどうぞ」
せっかちうさぎが、あなたたちを招きます。
丘には、ほんとうの切り株をテーブルに、猫が焼いた切り株みたいなパンケーキ、野いちごやレモンのジャムのほか、丸々とした
まわりには、鳥や猫やりすはもちろん、
どんぐりのあかりが照らすテーブルへ、あなたたちはうさぎたちと一緒につきました。きまじめうさぎが
――ありがとうございます。
「ぼくは飲めないけど、味を教えてくださいね」
ブルームがあなたにこう言って約束をしたとき、林にかけられた
奥からあらわれたのは、年よりのみみずくでした。
みみずくは片手にグラスを持ちあげて、いかめしい、歴史のあるくちばしで、あいさつをしました。
「今夜お集まりのみなさん! 気の知れた仲間のみなさん! この森にも秋がきました。今年も
「乾杯!」
「乾杯!」
シャンシャンとグラスを合わせる音が響きます。楽しげな笑いごえがどこにでも咲いて、うさぎたちも
「さあさあどれでも召しあがって」
「……ここは
せっかちうさぎが食べきれないほどのごちそうをお皿に盛ってくれたとき、ねぼすけうさぎは、あなたの足もとでいびきをかいていました。
「はっはっ。ぼくが手伝ったパンケーキだ」
「ああ、鳥たちが並んでいる。歌がはじまるぞ」
にぎやかうさぎがパンケーキとつやつやのジャムを楽しむ横で、きまじめうさぎは自分のことのように鳥たちを見つめています。
ぴかぴかの飾りのしたで、ぽろころとした合唱に合わせて、みんなが踊ります。あなたも、ブルームとステップを
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