着想が斬新な作品で、いつも興味深く拝見しています。
プログラミング言語と魔法、じつは相性の良いの取り合わせなのかも。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
魔法とプログラミングという奇妙な取り合わせですが、相性は良さそうです。本作の設定を考えていた当初、プログラミングを使ったソフトウェア面での拡張というテーマが先にあって、何を武器として扱うかについては未定でした。
ハードウェアに相当する部分なので、武器それ自体を強化できてしまうとソフトウェアの立場がなくなってしまいます。例えば光線銃でしたら、光線銃の出力を上げれば済んでしまうわけです。
身体から発せられる手を加えられない(=強化できない)ものとして候補に挙がったのが魔法と超能力でした。どちらも条件は満たすのですが、魔法の方がわかりやすい、イメージしやすいという理由で採用しました。
手から魔法が球状やビームとなって飛んでいくという絵はゲーム好きな世代なら、誰でも想像できます。プログラミングという非常に形を想像しにくいものと組み合わせるのには最適な存在だと今では思っています。
読んでるだけでなんだか頭が良くなった気がする! 気がするだけ!
魔法の考え方とかがちょっとSFチックな感じがするので、「影の王」の正体ももしやSFチックなものなのでは……?と睨んでおります。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
おそらく気のせいではなく、実際にソフトウェアの考え方が身についていると思います。作者は結構真面目に読者様の知識になると考えています。考えているつもり(←自信なし)です……。
影の王の正体については凄く鋭いところを突いています。SFチックというか、むしろSFジャンルだったりします。登場する単語がファンタジーというだけです。魔法という言葉を荷電粒子砲に変えれば、完全なSFになります。
ジャンルの線引きは難しく、魔物が宇宙人、魔法が超能力に置き換えれば従来のカテゴリーでは簡単に別ジャンルへ移動できると思います。本作はわかりやすくなるようにファンタジーの用語を使っていますが、内容はSFです。本音を言ってしまうと、理系やSFの専門用語、特に横文字は大嫌いなのです。
穏健派ですので、自分の中だけの正義です。日和見でヘタレですが、自分の小説の中では本性が出ます。変わり者の作者と作品ですが、どうぞよろしくお願い致します。
魔法弾がハードウェア、利用方法がソフトウェアという発想が良いです。
自分はプログラミングの知識を小説に活かそうとして思いつかなかったので尊敬します
作者からの返信
感想ありがとうございます。
実は執筆当初、小説のアイディアを考えたのではなく、情報技術を何らかの形で伝えられないかと悩んでいました。小説を書くのも好きですが、それ以上に自分の中に埋もれたまま消え行く知識を何とか再利用できないか試行錯誤していたのです。本作において情報技術の部分は特長であり、最も読むのに面倒くさい短所でもあるのですが、取り除くという選択肢はありません。
今後も情報技術のテーマで執筆を……と考えていたのですが、最近は少し頭が柔らかくなり、多方面に挑戦しても良いのではないかと変わってきました。以上の経緯があり、特に褒められるものではなかったりします。それでも温かいお言葉には感謝いたします。ありがとうございます。
プログラミング言語を応用した魔法ですか。面白い設定ですね!
私も大学で少しC言語をかじっていましたので、このエピソードはなるほどと思いながら面白く読むことができました。
ただこういう分野を元ネタにすると、やっていた私は自然とイメージできるのですが、なかなか一般の方への説明が難しいところかもしれませんよね……。
配列と変数の考え方については、私も最初に苦労した覚えがあります。
^^;
作者からの返信
感想コメントありがとうございます。素晴らしいレビューも本当にありがとうございました。この場を借りて重ねて御礼申し上げます。
プログラミングを知っている方からのご意見は多くの意味で参考になります。面白いという御評価は最も嬉しいものです。
本作の問題である、情報技術を題材にした内容が一般の方へどのように伝わるかという一点についてはかなり試行錯誤しました。むしろ本作自体の目的が物語を通じて情報技術を知ってもらうということなので、伝わらないということは死活問題に関わります。創作の初期段階から3つの点に注意しました。
①プログラミングコードや専門用語を使用しない、使う場合も最低限に抑える
②比喩表現を用いて具体的なイメージで伝える
③現実の技術内容と照らし合わせ、誤解を生まない正確な表現を心がける(物語の展開に合わせて一切譲歩しない)
変数や配列という言葉も用語というよりは概念というかたちで用いています。魔法士たちが並ぶ姿、またここでは本の並びを使って説明しています。わけのわからぬ言葉が出た後で、それはどういうことなのかを物語の中で魔法士と魔法弾を使って比喩表現するのです。この流れはプログラミングを知らない方に本作の内容がどのように吸い込まれるのかをシミュレーションしたものです。
ネット小説という媒体を生かし、感想をもらいながら逐次修正してきました。貴重なご意見をまとめながら3年に及びます。
補足については積極的に興味を持った方へ手引きという形で用意しています。
プログラミングを知らないが勉強しようと思っている方、興味のない方にもそれぞれ別の形で楽しんでもらえるように工夫しております。今回いただいた意見も取り入れる所存です。
今の時勢は小学生の段階からプログラミングを学ぶという全く新しい時代に変化しつつあります。その中でプログラミングの概念・イメージを楽しんでもらう本作が一石を投じる存在になることを心から願っている次第です。
(後述)
補足である【欄外】の記載位置を動かし、2話後にあった説明をこちらへ移動しました。「配列」という言葉についてはこの1話ですべて解決させました。また、本編の文章に問題箇所がないか読み直し、「配列」に関する記述を中心に改稿しました。読者様を混乱させる内容は軽減されたと思います。このたびは貴重なご意見ありがとうございました。
編集済
アキム君の説明を聞いて、ぱっとイメージが湧くタイプの魔法研究士が多ければ、魔法の研究や技術の応用も、もっと進歩していた筈で、そうなっていない原因のひとつに、文献を参考にした政策を推進した結果、影の王が発生してしまったという過去がある為、エキスト主任の憤りもなんとなく理解出来るという、これはアキム君の理論が浸透するまでそれなりに時間が掛かりそうな気配です>< 今後、どうなってゆくのか、また読みに来ます!
作者からの返信
感想ありがとうございます。
文献を参考にした主張が否定される……作者の実体験を元にしたストーリーの運びとなっています。
平成も令和も変わらず職場によっては、「学校で覚えた知識など役に立つわけがない」と言われます。私は就職活動中によく経験し、時には頭にくることもありました。とはいえ性格上、相手の発言を真正面から反対したことはなく肯定するのが習慣です。
結局、社会人になったら現場では経験論がすべてということのようです。間違いだとは言えないのですが、ひとつ疑問が沸きます。経験論だけでは、当人の一生分の向上しか見込めないのではないでしょうか?
所詮は坐学と言われようと、過去の人間が経験を理論化し、文章にしたものは後世の人間が利用しなくてはならないと思うのです。
その辺りで、本から学んだ「知識」をどうするのか、というのが本作の最も重要なテーマです。「役に立つ」知識と「役に立たない」知識の対立も、実学のみを尊重する現状を比喩したものです。
どんな結末を迎えるのか、最後まで楽しんでいただければ幸いです。
難しいです……。
作者からの返信
感想コメントありがとうございます。
何だか申し訳ございません。けれど、本作は難しい設定部分を読み飛ばしてもストーリーがわかるつくりになっています。影の王が最初から見える場所にいて、倒すため主人公が奮闘する王道の展開です。
例えるなら、タイムマシンで時間旅行するSFが近いでしょうか。最初にタイムマシンの設定に関する小難しい話が登場した時、細部を読み流してしまいます。でも、その後のタイムトラベルのストーリーは楽しめます。
設定の詳細まで理解した方が100%面白さを味わえるとは思いますが、作品側が配慮していれば、段階別にそれぞれ違った楽しみ方ができます。本作も情報技術に興味のある方、ない方、すべての方に楽しんでもらえるような構成にしてあります。是非、面倒なところは読み流してストーリーを堪能していただきたいと思います。
また別途、作者側は問題点を修正案件として後に改稿する材料にしております。現在は、このエピソードでの表現に問題がないか確認しておりますが、今後もご意見いただければ細かく調べるつもりでおります。どうぞ本作をよろしくお願い致します。