第4話みつめかえす瞳
中村と善後策を話し合い、指紋認証は不十分との認識で一致した。中村と練った対策はこうだ。まずは、今回の調査で威力を発揮したJICCの改良を、ミルトス認証システムの標準とする。次に、より確実に認証状況を記録するため、指紋認証ではなくカメラに顔を向ける虹彩認証を採用する。言わば、みつめ返す瞳を実装する。リスクレベルによっては、PINと呼ばれる認証コードを追加すれば、より突破は難しくなるだろう。
加えて、この動画を機械学習することで、通常とは異なる認証行為を検出する。今回のケースなら、意識を失った酔っ払いの目を指で開き、虹彩認証を試みる様子が記録されるので、これをエラーとして学習させる。
方針が決まったところで、中村は改良に必要な期間を聞いてきた。普通に考えれば一ヵ月と言いたいところだが、ケンであれば3日でできるだろう。準備などを含めて、開発に一週間、最低限の機械学習に一週間と判断し、中村に二週間と伝えた。
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