第2話

 露木が命を落としたのは、俺が病院を訪れたほんの数日後のことだった。重い肺炎に罹患した露木は高い熱を出し、酸素がうまく取り込めなくなったせいで人工呼吸機に繋がれ、そのまま帰らぬ人となった。葬儀は近親者のみで執り行われ、彼の友人とは到底言い難い存在の俺は、もちろんその場に呼ばれることはなかった。

 朝礼で担任の教師から露木の死を知らされた時、俺は一瞬言葉を失った。彼の死はあまりに突然で、彼の身に迫る真っ暗闇の化け物の正体を見定める余裕などなかった。俺が病室を訪れたあの日、死は影のように枕元にぴったりとくっつき、露木の魂を喰う時を今か今かと待ち構えていたのだろうか。

 露木が使っていた机の上には、清らかな白い百合の花が生けられていた。いつもは騒がしいクラスメイトたちも今日はさすがに言葉少なで、あちこちから啜り泣く声が聞こえた。死が、悲しみを連れてやってきたのだ。

 授業が始まっても、なかなか気持ちは簡単には切り替わらず、教室内は陰鬱な雰囲気のままだった。窓の外では春一番が吹き荒れており、校庭に植えられたイチョウの樹の枝が激しく揺さぶられている。教室の窓ガラスも、風が吹くたびに軋んだ音を立てていた。

 勉強に身が入るはずもなく、俺の脳裏には幼き日々の思い出が次々と去来していた。羽虫のようにまとわりつき、振り払いたくとも振り払えない、そんな思い出だ。



 家路を急ぐセダンへと大型トラックが突っ込んだのは、俺がまだ小学校に入ったばかりの夏の日のことだった。胃腸炎で体調を崩した父を、母は自家用車で職場まで迎えに行った。

「お兄ちゃんの言うことをきいて、良い子にしててね。すぐに帰ってくるから」

 カレーライスの夕飯を済ませ、兄とテレビゲームに興じていると、外出着に着替えた母に、そう声をかけられた。夏至を過ぎた頃で、外はまだ薄明るかった。兄も俺もテレビゲームに夢中で、母の声掛けに生返事をしたことを記憶している。あれが、母との最後の会話だったのに。

「喉が乾いたな。炭酸飲もう」

 母が慌ただしく家を出て行くと、兄は勝手に冷蔵庫を開け、砂糖がたっぷり入った甘い炭酸飲料をコップに注いだ。しゅわしゅわと泡が立ち、兄は美味そうに喉を鳴らしながら透明な液体を飲み下した。大きく隆起した喉仏が上下するのを、私は指をくわえて見ていた。6つ歳上の兄は、すでに中学生になっていた。小学1年生だった私にとって、野球部で投手をつとめる兄は、背が高く腕力が強く、憧れと畏怖の対象だった。

「なんだよ、お前も飲みたいのか」

 ペットボトルを放るようにして渡され、取り落としそうになりながらもなんとか受け取る。コップへと中身を慎重に注ごうとしたが、慣れないことをしたせいか手元が狂った。蓋の開いたペットボトルは落下し、まだ半分以上あった中身があっという間に床に広がり、水たまりを作った。俺は末っ子で甘えん坊だったから、何でも母にやってもらってばかりいたのだ。

「馬鹿、何やってんだよ」

 鋭い声で叱責され、私は身をすくめた。叩かれるかもしれない、と思ったのだ。兄はこちらをちらと見ると、ため息をついた。恐る恐る床に目をやると、失禁した時のように床も靴下もぐっしょりと濡れてべたついていた。

「絶対に母さんにきつく叱られるぜ。お前のせいだからな」

 予想に反して、兄の声は優しかった。食卓を拭くための布巾を水道水で濡らすと、汚れた床や靴下を兄は乱暴にぬぐった。小さな声で、ありがとう、と言うと、頭のてっぺんを軽く小突かれた。

 

 その後も両親は一向に帰ってこず、俺は兄と二人でテレビゲームをして遊んでいた。何回やっても兄にはなかなか勝てなかった。いつの間にか窓の外では雨が降り出しており、時折強い風が吹くと、雨粒が窓ガラスを激しく叩く音がした。家の中には兄と俺の二人きりで、我々の遊びを止める者はなく、いつまでもこの時間が続けば良いのにと俺は思った。

 遊びが中断されたのは、母が出かけてから数時間後のことだった。けたたましい音で電話のベルが鳴り響き、俺は兄と顔を見合わせた。その時すでに兄の心には、虫の知らせとでもいうべき嫌な予感があったのかもしれない。父の職場と自宅の距離はほんの数㎞で、どんなに道が混んでいても1時間以内には帰ってくることができるはずだった。兄は一瞬だけ逡巡した後、受話機を手に取った。はい、氷室です、と固い声で兄が喋り始めた時、外の雨音が一層強くなった。

 その後のことは、正直なところよく覚えていない。真っ青な顔をした兄に連れ出されてタクシーで病院を訪れたこと、霊安室に俺だけは入れてもらえず、そこから出てきた兄の唇が震えていたこと。葬儀の日取りが決められ、弔問客は俺と兄を見るたびに啜り泣いていた。幼くして両親を亡くした兄弟が不憫で仕方なかったのだろう。両親の遺体が焼かれ、真っ白な骨になった時、俺は初めて彼らが二度と帰ってこないということを理解し、正体のわからない恐怖に泣き叫んだ。自活のままならない子供がどうやって生きていけば良いのか、そんな恐怖をうまく言葉にすることができないほど、その頃の俺はまだ幼かったのだ。


 兄と二人で母方の叔母の家に引き取られ、不妊治療の末にとうとう子供のできなかった叔母夫婦のもとで俺たちは育った。忘れられないのは、学校から帰ってきた兄の部屋に、甘い炭酸飲料を入れたコップを運んだ時のことだ。叔母夫婦に引き取られてから1年以上が経っており、その日はいわゆる猛暑日だった。叔父も叔母も仕事で家を空けており、兄よりも先に家に帰っていた俺は、何の気なしに兄の部屋を訪れ、盆に乗せたコップを兄に差し出した。暑い日だったから、喉が乾いただろうと思ったのだ。コップの中身は、奇しくも、豪雨の夜に兄と分け合った炭酸飲料と同じものだった。差し出されたコップを目にした兄の顔がみるみるうちに赤くなり、次の瞬間には、俺は頬を張られて泣いていた。6つ歳上の兄の力は強く、抵抗などできるはずもなく、俺はされるがままになって、ただ殴られていた。鼻血を出し、兄の拳が俺の出した血で濡れた時、やっと俺は兄から解放された。鼻息も荒く部屋から出て行った兄に俺は取り残され、しばらく呆然としたまま、天井の電球を見つめていた。兄のために注いだ炭酸飲料はこぼれて、シャツやズボンはびしょ濡れだった。あの日、同じように服を濡らした俺を乱暴に拭ってくれた兄の手は、もう戻ってこないのだと、俺はその時理解したのだった。

 兄は変わってしまった。あの日の霊安室で、兄は何かを見たのだと思った。幼かった自分にとっては、それは正体のわからない何かでしかなかったが、歳を重ね、兄と同じ年齢に達した頃には理解できるようになっていた。きっと兄は、死の色濃い影をそこに見たのだ。元気だった両親を突如飲み込んだ真っ暗闇の理不尽さに、あの日の兄は恐怖したのだろう。しかし、その恐怖を理解し、分かち合える年齢に俺が達した頃には、兄と俺はまともに口をきくことがなくなっていた。



 6限まであった授業にも全く身が入らず、散々な一日が終わった。校舎横に停めておいた自転車のロックを解除し、のろのろと走り始める。錆び付いた自転車のペダルはいつもより一層重く感じられた。アパートへと向かう坂を下る時、ブレーキがききづらいことに気がついた。そろそろ修理に持っていかないといけないかもしれない。今日はとてもそんな気分にはなれず、坂の下まで一気に下り、足で地面を擦ってスピードを落とした。

 今日は弁当を選ぶ気にもなれず、いきつけの弁当屋の前を自転車で素通りした。今夜は冷蔵庫に残っているものを適当に食べることにしよう。特売のときに買った袋ラーメンと、しなびかけた野菜が少し、それに豚肉が冷蔵庫に残っていたはずだ。重いペダルを踏みながら、こんな時、両親がいたらな、と思う。学校で悲しいことがあっても、家で俺の帰りを待っていてくれる両親がいたら、少しは気持ちも軽かっただろう。兄が成人し、二人で叔母の家を出てから、俺の家族は兄しかいない。


「ただいま」

 誰もいないアパートの部屋に帰ると、室内から何やら嗅ぎ慣れない匂いがした。ホットプレートで肉を焼いた時のような、どこか懐かしさを誘う匂いだ。玄関に一番近い自分の部屋の前を通り過ぎ、恐る恐る台所の方へと向かう。廊下も居間も電気はつけられず真っ暗で、しかし肉の焼ける匂いは確かに台所から漂ってくる。兄が予定より早く帰ってきたのだろうか?いや、あいつが料理をしているところなんて一度も見たことがない。ならば、一体誰が?心臓が早鐘を打つ。足音を立てぬよう細心の注意を払って台所を覗き込んだ俺は、その正体を確かめた途端、うわっ!と大きな声をあげて飛び退いていた。

「氷室、おかえり。勝手に食材使っちゃったけど、良いよな?」

 台所に立ち、コンロに向かってフライパンをふるっていたのは、死んだはずの露木幸晴だった。俺よりも少し低い上背、柔らかそうな焦げ茶色の髪。その手にはフライパンと菜箸が握られている。

「そんなに驚くなよなぁ。また来てくれるって、約束したじゃないか、氷室。僕はずっと待ってたんだぜ」

 豚肉と野菜が炒められ、露木は鍋肌に醤油を伝わせる。じゅう、と音がして、香ばしい匂いが漂った。確かに、病室を訪れたあの日、俺は露木と指切りを交わした。約束を果たせなかったことは事実だ。しかし、死んだ後になってまで、俺の家を訪ねてくる必要なんてないじゃないか。

 俺は腰を抜かしかけながら、露木の身体を観察する。よく見ると、フライパンを握る手は半透明になってうっすらと透けており、襟ぐりから覗く首筋や、ズボンの裾から見える足首についても同じだった。生きていた頃から肌の色は白かったが、今は白さを通り越して肌の色は半透明になり、向こう側の景色が透けて見えた。髪や目の色は生前と変わらず色素が薄い焦げ茶色で、病院で着ていたような水色のパジャマを身につけている。視覚では確かにそこにいることが確認できるのに、なんとも言い難い、存在の希薄さが感じられた。彼が既にこの世のものではないからだろうか、そう思うとじわじわと鳥肌が立つのがわかった。

「僕だって、なんでこんなことになったのか分からないよ。病院で死んで、それから気が付いたら氷室の家にいたんだ」

 コンロの火が止められ、肉野菜炒めが皿に盛り付けられる。死んだはずの露木を目の前にして食欲など皆無だったが、はい、と皿を差し出されると、恐怖も相まって、どうも断りづらかった。



「美味いか、氷室?」

「…美味いよ。人に食事を作ってもらうのなんて久しぶりだ」

 誰かが作ってくれた手料理を最後に口にしたのは、叔母の家にいた頃だと思う。露木がこしらえたのはサラダ油で炒めて醤油で味をつけただけのシンプルな炒め物だったが、作りたての温かい食事はしみじみと美味しかった。

 初めは恐る恐る箸をつけていたが、醤油の香ばしい匂いに食欲を刺激され、俺はいつの間にか大皿の半分ほどを食べ終わっていた。がっついているようで恥ずかしかったが、そんな俺の様子を露木は気にした風もなく、唇の端を上げて嬉しそうに微笑んでいた。

「料理は得意だったんだ。両親が共働きであまり家にいなかったから、体調が良い時は簡単な料理をちょこちょこ作って気晴らしをしていたのさ」

 食卓の向かいに座る露木の前には皿が置かれていなかった。食べないのか、とたずねると、死んでからは食欲が湧かないからいらない、と返事が返ってきて、露木が死んだという事実を再確認する。葬儀に参列しておらず、屍体をこの目で見たわけではないから、彼の姿を台所に認めた時、あの訃報が嘘だったのではと一瞬疑ったのだ。

「…お前、本当に死んでるんだよな」

「うん」

「自分の家に帰ったほうが良いんじゃないか。なんで俺のところなんかに来たんだよ」

「そんなの、僕にもわからないよ。ただ、気が付いたらここにいたんだ。不可抗力っていうのかな、こういうの」

 露木は少し首を傾げると、右斜め上に視線を向けた。肌の色はどこもかしこも半透明の薄い色だが、唇だけは微かな血の気を含んで赤かった。薄赤い唇が、前歯できゅっと噛みしめられている。考えごとをするときの、露木の癖だろうか。

「もしかすると、最後に病室を訪ねてくれた友人が氷室だったからかもしれないな。それが、僕がここに来た理由なのかも」

 友人、という言葉が露木の唇から転がり出てきた瞬間、俺の胸は嫌な音を立てて軋んだ。俺には友人と呼べる存在はいない。仲の良いクラスメイトなどいないし、露木とまともに話したのだって、あの病室での会話が最初で最後だった。俺が彼の病室を訪ねたのは、篤い友情からではなく、死への強い好奇心からだった。両親が死んで以降、ずっとつきまとっている真っ暗闇の正体が、死の床にある露木に会えばおぼろげに分かるのではないかと俺は期待していた。そんな下心を持って俺が近づいたことを、こいつは気づいていないのだろうか。なぜ、ほんの少し話をしただけの俺を、露木は友人として扱うのだろうか。

「…どうしたんだよ、氷室。急に黙り込んだりなんかして」

 目の前に座る露木は、俺の考えていることなど知るはずもなく、きょとんとした様子だった。友人ですらない、ただのクラスメイトで、しかも既に死んでいるはずの人間が何故か俺の家に来てしまった。そいつは料理を作ってくれて、俺はそれを断りきれずに食べた。出て行けと言うべきなのか、もう少し話をするべきなのか迷っていると、玄関の鍵が開く音がした。兄が帰ってきたのだ、と気づき、一気に血の気が引く。いつもは遅くまで飲み歩いているくせに、今日は何を思ったか、随分早く帰宅したらしい。露木をどこかに隠れさせねば、などと考える暇もなく、どたどたと大きな足音が響いて、兄が居間に入ってきた。

「ただいま…なんだよ、お前、料理なんてするのか」

 ほぼ食べ尽くされた肉野菜炒めの皿を見て、兄は微かに瞠目した。その視線は食卓の上に注がれており、俺と向かい合って座る露木の存在に気が付いた様子はない。もしかして、露木の姿が見えているのは俺だけなのだろうか。しかし、露木が兄を物珍しそうに眺め、こんにちはー、などと言いながら小さく手を振ったりするので、俺は気が気ではなかった。

「まぁ、たまには…本当に時々しかしないけど」

 しどろもどろになった俺の返事に、兄はふぅん、と鼻を鳴らした。俺が慌てている様子が愉快なのか、露木は食卓に肘をつき、にやにや笑いながらこちらを見ている。俺は冷や汗が止まらなくなった。

「今度兄貴にも作ってやるからさ、さっさとあっちに行けよ」

 手で追い払うような仕草をすると、兄は眉をしかめた。その手には、いつも通りコンビニで買ってきたのであろうカップ麺が入った袋が提げられている。

「なんだよ、汗水垂らして働いてきた兄に、敬意ってものがないよな、お前は。お気楽な高校生は羨ましいよ」

 皮肉っぽく独り言を言いながら、春物のトレンチコートの裾を翻し、兄は台所へと消えた。露木は兄弟喧嘩が物珍しいのか、相変わらずにやにや笑っている。他人事だと思って、この状況を楽しんでいるらしい。俺は大きくため息をついた。


「氷室はさ、さっきの兄さんと二人で暮らしてるの?」

 俺と二人で自室に引っ込んだ後、露木は好奇心を押さえられない様子で部屋の中をきょろきょろと見回していた。教科書や文庫本でいっぱいになった本棚、俺の寝相が極端に悪いせいで布団と毛布が端から落ちかけたままのベッド、使い込まれた勉強机と椅子。他人に見られると気まずくなるようなものは、少なくとも目に付くようなところには置いてはいないはずだ。友人のいない俺は、兄以外の誰かをこの部屋に入れるのは初めてだった。クラスメイトが部屋の中にいる、そんな見慣れない光景に、なんだかどぎまぎしてしまう。

「父さんも母さんもいないよ。俺が6歳の時に二人とも死んだから」

 交通事故に巻き込まれて死んだこと、叔母の家に引き取られたが高校を卒業した兄が働き始め、二人でこの家に住み始めたことを説明すると、露木は、ふうん、と言ったきり、それ以上の事情を聞き出そうとすることはなかった。クラスが違ったとはいえ、露木とは小学生の頃からずっと同じ学校に通っていた。俺が両親を亡くしているという話は、露木の耳にも既に入っていたのかもしれない。両親がいないことに過剰に同情されるのには心底うんざりしていたから、露木のさっぱりとした反応に俺はほっとした。

「俺は勉強したりなんかして、日付が変わる前には寝るけど…露木はどうするんだよ」

「そうだなぁ、僕は本でも読んでいようかな。氷室の邪魔にはならないようにするからさ、どうかここから追い出さないでくれよ」

 そう言って、露木は拝むような仕草を見せた。俺にもし友人がいたとしたら、そしてそいつが家に泊まりに来たとしたら、こんな感じだったんだろうか。いつもの夜はひとりぼっちで、話し相手もいないまま、ただ静かに時が流れていくばかりだ。同い年の奴らが鬱陶しがるような家族団欒の時間が、俺は無性に羨ましくなることがあった。ひとりぼっちの家はあまりに寂しく、空間がどんどん膨張して広くなっていくような、そんな感覚を覚えることがあった。しかし、今日の俺の部屋には、露木がいる。彼は本棚から文庫本を手に取り、床に寝そべってページを捲っていた。露木の気配で気が散ることもなく、むしろいつもより勉強は捗ったように思われた。


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