迷い犬

捨てたわけではない

逃げただけであった

道で右往左往して

どこに行けばいいのか分からず

迷い犬は途方に暮れて

知らぬ場所で眠るのだろうか

それとも帰る場所を求めて彷徨うのか

私は犬か

同情か

あの犬はどこへ行ったのか

確か、あの犬は毛並みが良く首輪をし

可愛がられていた

だからそこ救いたいという気持ちが先行し

追いかけた

帰る場所、一瞬の道徳、鈍った身体

忌々しいほど悲しい結末

あの犬はどこへいったのだろう

私はついていくことができなかった

私みたいにはなるなよ、どうか幸せな結末になってほしい

ただの迷い犬よ

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