第10話

連れてこられたのはさまざまな食べ物の屋台が立ち並ぶ通りだった。

食べ物ってアートなのか…?


「こっんにっちは!お兄さんスイーツ好きじゃっない?良かったらあったしのおっ店で食べていって!美味しいし、見った目も綺麗でまっさにこのイベントにぴったり!」


またいきなり話しかけられた。

料理人風の白衣にピンクのエプロンのアニマルガールだ。


「あんたは…」

「おっと、ごっめんっね!あったしはパティシエのフックロギッツネ!」


よく促音を入れてくる子だな…ん?フクロギツネ…どっかで聞いたことが…あ、チョコレートの監修をしたってPOPに書いてあった子か。スイーツか…気にはなるけど、ソラがいるしなぁ…


「あれ、おっ客さん知らない?フレンズって、体っの構造的にっはヒトとほっぼ同じだからヒトが食べれる物は大っ体食べれっるんだよ!ほら、あったしだって、食べても平っ気だよ!」


そう言ってフクロギツネは手元にあったチョコレートをひとかけ、口に放り込んだ。

そ、そうだったの?驚愕だ。


「こっちからショートケーキ、ティラミス、あとクッキーとか色々ね。で、これが今回の目っ玉!材料はっ全てパーク産、バターはジャージー博っ士の特っ製バターを使用!そしてトッピングにはアカホエザルさんのチョコレートを使用!そしてなんと、食べっると創作意欲とアイデアが泉のように湧っき出てくるという効果付き!アーティストにおすすめ!

試っ作品をコッシベニペッリカン先生に食っべさせたとっころ、一晩で小説を3冊も書っき上っげたという実績があるよ!…ただその後3日は使い物にならないくらい疲っれ果ててたけっどね」


待て待て待て。最後の効果なんだ?一般人に創作意欲とかアイデアとかいらないんですけど。そしてその後3日間はボロボロになるとか絶対ヤバい成分入ってるだろ!

ソラにチョコを買ってあげようかとも思ったが、なんか混ぜ込んでそうで怖いな…


「ごめんなさい、とりあえず今は良いかな…買っても食べるとこ無いし、持ち歩いてもホテル帰るまでに悪くなっちゃいそうだし…」

「まったいっつでも欲っしくなったら来ってね!パークセントラルにっも支店あるかっら!」


フクロギツネの店を出て、ブラブラとその辺を散策する。

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