第6話
「ソラー、どこだー、戻ってこーい!」
私は声を上げながら通りを歩き探すが、見つからない。
無闇に探すより、誰かに目撃情報を聞いた方がいいかなと思った瞬間。
「ミスター、避けて!」
ハクトウワシの声が聞こえたので、私はとりあえず頭を抱えてしゃがんだ。
次の瞬間、さっきまで私の頭があった空間を、ハクトウワシの足が猛スピードで通過するのが見えた。あれに当たってたら多分気を失うレベルのスピードだった。
「sorry、怪我はない?私、動物の頃の癖で目標を見つけると目標めがけて急降下してしまうのよ」
わかってるならやめてください…
「とりあえず、あなたの探してるソラちゃん…だったかしら?を見つけてきたわ。早速彼女のいるところへGO!よ!」
そう言うとハクトウワシは私の体を抱き抱え、羽ばたき始めた。
「ちょっ、何するんですか⁉︎」
「地面を歩くなんてまどろっこしい、空を飛んで行くのよ!力を抜いて、喋ると舌を噛むわよ!」
気づくと景色が変わっていた。
ふらつく足であたりを見回すと、ソラが心配そうに私のことを見ていた。
「私のフライトはアニマルガールでも気絶するのに、それに耐えるなんてあなたのタフさはすごいわね」
そんなもんに付き合わされたのか私は…
とりあえずソラが無事で良かった…
「え、えっと、ごめんなさい、ご主人さま…つい…面白そうなものがあって…」
「ソラが無事で良かったよ。でも、確か朝言ったよね?『絶対私についてくること』って。今回のことはもういいけど、次からは勝手にどこかに行かないようにね。大変なことになるかもしれないから…」
ソラは悲しそうな顔でうつむき、私の話を聞いている。うーん…そこまで凹まれると叱りづらい…
「えーと、そんなに落ち込まないで…次から気をつけてくれればいいから!」
「ほんとに…?」
「だから元気出して!また綺麗な物を探しに行ったり、美味しいものをたくさん食べたりしようよ」
「そっか、そうだよね!」
機嫌が直ってくれたみたいで良かった。
「ハクトウワシさん、ありがとうこざいました」
「You're welcome!また会えて良かったわね!それじゃ私はこれで。See you!」
そう言うと、ハクトウワシは飛び立っていった。
はぁ…さっき色々緊張して、それが一気に緩んだからか、とても疲れた…
今日はもうホテルに戻って寝よう…ガイドブック?そんなのは明日の朝買えばいい…
ホテルに戻り、ベッドに倒れこむ。
その途端、強烈な眠気が来た……
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