登場人物一人一人の過去と想いが非常に深く構築されているのが特徴的な作品です。
一文はおろか、原稿用紙数ページ使っても言い表せないほどの質量を持った感情がそれぞれにあり、かつそれが本文中には丁寧な形で描写されています。
そのため、読み終わったあとは、まるで彼らの人生を体験したような気分に浸れました。
また、互いの関係性も説得力のある形で構成されていて、特に表題にもなっている主役二人のそれは、あっと驚いてしまうよな作り込みをされています。
他にも緻密な筆致で描き出され幻想的なまでの美しさを持った風景描写など、様々な魅力のある作品です。
ぜひ、多くの方に読んでみてもらいたいと思いました。