第21話 2日目
出発してから5時間程経った頃
「あ、あれ!!街じゃない!?」
嬉しそうにユウが指をさす
「あら、ホント〜!!せっかくだし寄って行きましょうよ〜」
リウも乗り気だ
「そうですね。食材等もなるべく揃えておきたいですし」
「どうせなら今日ここに泊まろうぜ!!もう魔導車生活にも飽きたし」
なんて言うユウに
「まだ1日しか経ってないだろ」
と的確な突っ込みを入れるイキ
「そうです、まだ目的地まで半分程しか進んでいません。こんな所で1日時間を潰している暇なんてありませんよ」
ユウの意見は却下される
「ちぇっ…ベッドが恋しいよー!!暖かい布団で寝たいよー!!」
ユウの心からの叫びが出るのだった
街に着くと、とても賑やかだ
どうやら大きな街らしく、あちこちにお店がある
「ここからは別に固まって動かなくてもいいわよね〜??」
リウが言う
「そうだよな!!別行動してもいいよな!?」
ユウも賛成なようだ
「そうですね…各自買いたい物が違うと思いますし。1時間後にあのカフェに集合で」
「堅物なコウがカフェとかうける」
と笑いを堪えているユウに軽く肘鉄を食らわし
「では、1時間後に」
と各自買い物をしに行く
『イキは行かないの??』
「別に欲しいもんとかねぇし」
興味なさげなイキ
「ルイは何か欲しい物ありますか??」
『私は別にないけど…やっぱり長時間使ってると疲れちゃうなぁ』
笑ってはいるもののやや疲れがみえる
「では一足先にカフェへ行きますか??」
『そうしてようかな』
少しでも体力を温存することにした
「分かりました。イキ、頼めますか??」
「あぁ」
「なるべく早く買い物を終わらせてきます」
と気遣うコウ
『大丈夫だよ!!少し休めば回復するから
ゆっくり見てきて??』
と言うも
「必要な物だけ買ってきます」
とすぐに行ってしまうのだった
『あ、もう…コウは相変わらずだなぁ』
「いつもの事だろ……ほら、行くぞ」
珍しくイキから誘ってくれた
『うん!!』
それがどことなく嬉しかったルビカーフィンだった
お店に入るとテラス席へと案内された
自分達がいた所よりかはお日さまが暖かい
『私は紅茶頼むけどイキは??』
「別に必要ねぇ」
『お店に入って何も頼まないと逆に目立つよ??』
「なら適当なもんで」
素っ気なく返すイキ
ルビカーフィンはいたずら心で珈琲を頼む
しばらくして
「お待たせしましたー」
と運ばれてきた飲み物にイキの顔が引き連る
それはコウが好んでよく飲んでいるもの
試しに自分も飲んでみたが
とても苦かった飲み物だった
「お前これ知ってただろ」
『なんのこと??』
とぼけてみるも
「絶対知ってただろ!!」
とようしゃなく頭をグリグリさせる
『いたたっ!!痛いって!!』
2人が仲良く?遊んでいると
「あの…すみません」
少年が話しかけてきた
『どうしたの??』
声をかけると
「ここに行きたくて…でも道に迷ってしまって」
と少年は地図を指差すが
ルビカーフィン達も先ほど街にやってきたばかり
「悪いが俺達もさっきここに来たばっかで知らねぇ」
素っ気なく言うイキに
『そんな言い方しなくていいじゃない…地図からしてここからそう遠くじゃないみたいだし』
「どこだよ」
と地図を覗き込むと逆さだった
「お前は地図の見方すらわからねぇのか…貸せ」
半強引に地図を取ると
「確かに遠くはさなそうだな」
『なら連れてってあげようよ!!』
「今からか!?」
集合時間まで残り10分ほどだ
『でもこの子困ってるし』
「……あー分かったよ!!俺がこいつを連れてく。お前はコウが戻って来た時に居なかったら心配されるからここに居ろ」
『え、でも』
「いいから。ここにいろ!!」
有無も言わさん物言い
『分かった…気を付けてね』
諦めたルビカーフィン
「ガキ、そこに連れていくだけだからな」
「うん!!お兄ちゃん!!ありがとう!!」
少年はニッコリと笑いイキの後を追いかけていく
(イキって不器用だけど、案外優しいよね)
なんて思い紅茶を飲む
「お嬢さん、お隣いいかな??」
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