第15話 日常②
「では、買い物へ行って来ます」
防寒対策をバッチリして買い物へと出かけるコウ
「『いってらっしゃい」』
忘れてはいないだろうか
この家周辺はルビカーフィンの力により
晴れているが
一歩外に出たら吹雪なのだ
「街は寒そうだ」
身体を震わせる仕草をするユウ
テレビには厚着をして買い物をしている人が多く映っていた
「こうゆう時は外にでないのが1番♪」
なんてルンルン気分なリウ
この言葉を聞いたらコウになんて言われるだろうか
「そう言えばルビーちゃんいつもみたいにワンピースじゃないのね?」
本日のルビカーフィンは
ワイシャツにセーター、短パンにニーハイソックス
と珍しい格好をしていた
『前に戦闘した時にヒラヒラして邪魔だったから!!またいつ襲われるか分からないし』
「でもオシャレはしなきゃダメよぉ」
と言いながらルビカーフィンの髪を触る
「まぁでも確かにコウくんを扱うのにワンピースはちょっとあれよねぇ…激しく動かなくちゃならないし」
『そうそう。風で舞い上がったりするし』
「あ、それ分かるわ!!」
女子トークに花をさかせている中
暗い顔をしている人物がいた
「なにそんな暗い顔してんの?」
ユウが声をかける
「…別に」
素っ気なく返すイキ
「何かあったら言えよ?お前はもう1人じゃないんだから」
「わかってる………ユウはどうして従者になったんだ?」
珍しくイキが質問をする
「あー………俺、前居た所で奴隷だったんだよね」
「奴…隷だった…?」
目を開いて驚く
「睡眠も食事も必要ない、動けるヤツなんて誰もが欲しがってさ。すっげぇ額かけられて売られたんだよね」
「売られたって…親にか…?」
「親かどうかは分からない…ただ一緒にいてくれた人。まっイキもファミリーだから見せてもいいかな」
そう言って服をめくる
「!?」
そこには無数の深い傷があった
「失敗したら罰を与えられた。
歯向かったら切りつけられた。
一生消えることのない傷だ」
イキは傷からソッと目を外し
「その……悪かった」
と言う
「もう昔の事だから気にしてないし!!俺ルビーに拾われてからはすっげぇ幸せだから!!ルビーは俺らを1人の人としてみてくれる。我ながら良い主を持った!!!!」
なんて笑う
そんなユウにも過酷な過去がある事を知ったイキ
なんだか申し訳ない気持ちになった
「そんな顔すんなって!!言ったろ?今は幸せだって!!」
「幸せ……か」
イキにも思い当たることがあるようだ
『なになに!?なんの話ししてたの!?』
そこにルビカーフィン達が混ざってくる
イキの口角が少し上がる
「ただの世間話だ」
『なにそれ!!気になるじゃん!!』
ルビカーフィンの突っ込みが入ると同時に
「ただいま戻りました」
とコウが帰ってくる
頭には雪が積もっていた
「うわぁ…寒そう」
「えぇ。寒かったですよ」
着ていたコートを脱ぎ雪を払う
「今日はやる事が色々とあるので、みなさんで手分けして終わらせますよ」
買ってきた物を持ってキッチンへ移動すると
そこにはイキが居た
「どうかしましたか?」
「いや、その……今度から俺も行く…から」
「買い物にですか?」
「あぁ…荷物持ちくらいにはなる」
急なイキの申し出に少し驚くも
「では、次回からお願いしますね」
内心嬉しいコウなのであった。
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