第12話 覚醒〜新たな仲間〜

「なに…これ」


ユウもよく分かっていないようだ


『もう……辞めて』


ルビカーフィンがフラフラと立ち上がる


「これ貴方の力ね…さすがメディウム様」


少女もすぐ近くまで来ていた


『もう傷付けるのは辞めて!!!!』


心からの叫びに答えるよう

ルビカーフィンの周りに光が集まる


「な、なんだ!?」


従者であるユウも初めての事に

驚きを隠せないでいるも


「あれ…??」


自分の身に変化が起きた事に気付く


「傷が…治ってく」


「!?まさか!?癒しの力を手に入れたと言うのか!?」


少女が驚く


「癒しの力??」


ユウが疑問に思っていると


『私の大切な人達を傷付ける事はさせない』


イキと少女の方へと歩いて行く


「ちょ、ちょっと!!ルビー!!」


ユウが腕を掴み歩みを止める

振り向いたルビカーフィンの瞳が

エメラルドグリーンではなく

真っ黒に染まっていた


「ル、ルビー??」


突然の事に動揺を隠せない


「その子理性失いかけてるわよ」


少女が続ける


「新たな力を手に入れる代わりに、大切なモノを失っちゃったみたいね♪」


まるで、ラッキー!

とでも言うように


「なんだよ…それ!!!!ルビー!!おい、ルビー!!!!」


ユウが必死に声かけするも


『私の大切な人達を傷付ける事はさせない』


ルビカーフィンは先ほどから同じ言葉を繰り返す


「大丈夫だって!!ほら!!俺この通り元気になっ……」


グサッ


「!?」


ユウの言葉は最後まで言い終わることなく

いつの間にか壁を越えて来ていた

イキにより刺される


「マジ……タイミング…考え……ろ……って」


そのまま倒れてしまう


『!?』


またルビカーフィンの瞳が大きく開く


「ふふ…これでもう貴方を護るモノも闘えるモノも無くなっちゃったね??

お兄ちゃんお願い…私達の幸せのために

その子を消して。」


少女の言葉にユウから短刀ナイフを抜きイキが向かって来る


ルビカーフィンに向かって短刀ナイフを突き刺す


「はーーーい、ストップ」


突如、女性が現れナイフを止めたかと思うと

目にも止まらぬ早さでイキのスフィアを粉砕した

イキはその場に倒れる


「誰!?」


急に現れ、瞬く間にスフィアを粉砕されたため驚く少女


「んー?あたし?あたしはこの子のお友達!!」


そう言いルビカーフィンに抱き着く


「従者か!?」


「その呼び方辞めてくれない?別にこの子に従ってるわけじゃないわよ〜」


とても大人びた女性

おしゃれさんなのか紫のフワフワした髪には

たくさんの小物が付いており

頭から爪先までキレイに手入れされている


「………」


「って」


コウとユウが目覚めたようだ


「!?リウ!?」


コウにしては大きめな声で発する


「リウ??」


ユウは知らないようだ


「戻ってきていたのですか」


「そうねぇ…でもこんなことになっているなんて〜あの子早くどうにかしないと」


と少女を指差す


「出来ません…彼の妹です。ルイが救うと約束しました」


「ふーん…そうなのぉ〜じゃあ交代」


そう言い、ルビカーフィンをコウへ預け

少女の方へと向かって行く


「主が救うと約束してしまったから、貴方達は私に手を出す事もできないわね」


少女が笑う


が、


ザシュ


「「!?!?!?」」


リウはムチへと変化した腕で容赦なく少女の片腕を


「…なっ!?」


あまりに一瞬のことで反応が遅れる


「お前!!!!主の命を無視するのか!?

闇落ちするだけだぞ!?」


少女は引きちぎられた方の腕を

グッと掴みながら言うも

血液は止まることなく溢れ続ける


「闇落ちはお前だけじゃなく主にまで影響するのよ!?」


少女の言う通り

理性を失いかけていたルビカーフィンは

コウの腕の中で眠っている

負の力に耐えれず意識を手放したようだ


「別に闇落ちしようがなにしようが関係ないわよ??主に何があろうともやると決めた事はやるわ。

正しい事ばかりじゃ何も護れないもの。

私はこの子の近くに居たいからソバにいるのよ!!!!」


「なん…なのよ」


少女は堂々と告げるリウに若干引き気味になった。



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