第9話 敵襲

パチン


「『!?!?!?」』


急に指を鳴らす音が聞こえたかと思ったら

イキは浮遊感を感じる


「うぇ!?」


驚いていると


『ユウ!!』


「オッケー!!」


ルビカーフィンがユウの名前を呼んだかと思ったら

ユウはショットガンへと姿を変え

ルビカーフィンの手に。

スッと標準を合わせ

ある所に目掛けて撃ち込む


「なん…だ?」


イキは何が起きているのか分からず

頭が追い付かなかった


「あれが従者になると言う事です」


冷静な声が頭上から聞こえる

頭を上げればコウが自分を抱えていることに気付いた


「あ、あの…すみません」


イキはなんだか申し訳なくなり視線を下げた


「!?」


次の瞬間驚いた

さっきまで自分達がいた家周辺が無くなっていたのだ。

大きな爆発があったとか、周りが荒れているのではなく

最初からその場所自体がなかったかのようにポッカリと消えている。


「なんだよ…これ」


動揺が思わず口に出てしまう


「敵襲です」


「敵っても!!どこに!?」


敵襲だと言うのにやけに冷静なコウ

それに比べ落ち着きのないイキ


「あまり動かないで下さい。

護りながら闘うのは難しいので」


そう言われ自分達が避難した木の下を見ると

大量のアルケミストの成れの果てがこちらへと向かってきていた


「ど、どうすれば!?」


いままで見たことのない数で焦るイキ


「貴方はまだ闘う術を知らない。

ましてや自分を護ることもできない。

ならば出来ることは一つ」


そう言い抱えていたイキを降ろす


「黙って護られていて下さい」


「!?」


そう言い木に辿り着いたアルケミストの成れの果てをクナイで倒していく


改めて自分の無力さを感じるイキ


ドッゴーン


「!?!?」


急に大きな音がし辺り一帯に砂埃が舞う



しばらくし砂埃が落ち着く


「!?!?」


そこにはショットガンから元の姿へと戻り傷だらけのユウとルビカーフィンが倒れていた


「ルイ!!!!」


先ほどまで冷静だったコウが木から飛び降り

大量のアルケミストの成れの果ての間を走り抜けながらルビカーフィン達の元へ行く


「ルイ!!ルイ!!!!しっかりしろ!!」


必死に声をかけるも反応がない


「ルイ!!!!」


その間にもアルケミストの成れの果て達がコウへと向かって襲いかかってくる


「邪魔を……するな!!!!」


その一言で半数が消し飛ぶ


「なんなんだ…あの力は」


イキはただただその光景を見ている事しか出来なかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る