第7話 波動〜メディウムの力〜

翌朝


ルビカーフィン達は朝食をとっていた


『コウの作るオムレツ本当に美味しい!!』


「分かる!このフワフワ感なかなか出せないよな!!」


ルビカーフィンの言った事に同意するユウ


「そうですか?それはありがとうございます」


和やかな雰囲気が漂う中

一人だけ付いていけない人物が


『イキは食べないの?』


その人物に声をかける


「いや、なんか妹を助けに行くのに

こんなに和やかな雰囲気でいいのかなって」


どうやらこのような雰囲気に慣れていないようだ


『助け出すにもなにをするにしろ

準備は必要じゃない?』


「食べたりするのは人間だけでいいんじゃ」


そう言うイキの前にも朝食が置かれている


『貴方達が食べれない、食べたらいけないなんて決まりないでしょ?』


「でも、こんなの食べたこと…ないし」


「あれだな!食べ方分からないんだろ!!」


「なっ!?そ、そんな事ねぇし!!」


…どうやら図星のようだ


「し、仕方ねぇじゃないか!!今までこんな事したことねぇし!!」


「分からない事は聞けって!先輩が教えてあげるからさ!!」


イキの肩に腕を乗せ

からかうように言うユウ


「だ、誰が聞くか!!」


「もーぅ!イキちゃんったら〜素直じゃないんだから〜!!」


必死に対抗するイキ

からかい続けるユウ

そんな光景を微笑ましく見ているルビカーフィン

先が思いやられると呆れたようなコウ

こんな何気ないひと時が幸せなのだ。




豪華なシャンデリア、綺麗な内装

置いてある一つ、一つの物が高級感を出している


そんな一室で

長い机の端と端に座り

朝食をとっている中年男性と少女


「そろそろ動いてもらおうかな」


「あら、もういいの?」


「失敗したようだからねぇ…困ったものだ」


やれやれと手をあげるも

本当にそうは思っていないような感じがする


「君こそ良いのかい?」


「なにが?」


少女はパンを頬張りながら聞く


「外見だけでも問題だし、こうして話している君は今から会う子とはワケありだろう?」


探るように尋ねる


「何を今さら…問題ないわ」


「彼に会っても?」


「もう居ないもの」


彼女の黄金色の瞳が男性をとらえる


「そうかい?それなら早く物事は進みそうだね…早速行ってくれるかい?」


男性はニッコリと笑みを浮かべながら言った


「えぇ…任せて」




「ではルイお願いします」


『うん…任せて!……我この地に生を受けたもの。この身、この力を元に汝との扉を開かん!!』


呪文を唱えると一筋の光がさす


「この…光が?」


イキが問う


「そうです…人間の波動。

これがメディウムのみが扱う事のできる力」


『久々だったからうまくできるかなって思ったけど…しっかり残してくれてたみたい』


「妙ですね」


『本当にね』


「??」


二人の話しがよく分からないイキ


「なんの話ししてんの?」


訂正。イキだけではなかったようだ

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