第4話 刺客〜漸くお出まし主人公名〜

『ん…』


1人の女性が目覚める


「あ、やっと起きた!!」


『ユウ』


目覚めた時

目の前にあったのはユウの顔だった

どうやら早く起きないかと

寝顔を見ていたらしい


「ニンゲンって大変だねぇ…睡眠に食事でし

ょ?あとは…色々と!!」


めんどくさくなったのか

考えるのを辞めたのか

笑顔で色々と!

なんて言うのは彼らしい所。


『ユウには…私が人間に…見える?』


まだ寝起きのためか所々

区切られて発せられる言葉


「あったり前でしょ!!ルビーはニンゲンだ

よ!!」


ニコニコと満面の笑みで答えるユウ


『そっか…ありがとう』


どこか照れくさく感じる



そう。この物語りの主人公

人形のような彼女の名前は

"ルビカーフィン"

彼女曰く、昔誰かに貰った名前だと言う。



『あれ…コウは?』


いつもなら

「主の部屋に勝手に入るとは何事だー!!」

とユウを怒りながらルビカーフィンを起こす彼の姿が見えない


「コウなら買い物に行ったよ?

明日から猛吹雪になるんだってさ」


と外を見て言うも、晴れている

雪雲の気配すら感じられない



が、

この家から数歩出てみると

そこは吹雪だった。

どうやらこの家だけ

晴れているらしい


「それよりも!!早く着替えてコウを待って

ようぜ!!」


まるで子供が

イタズラでもしようとしているようだ


『うん、分かった』


布団から出て

近くに置いてあった洋服に着替えようとするも

昨日置いておいた服がないことに気付く


『ユウ そこのタンスから適当に何か取っ

て』


「なんでもいいの?」


『うん』


ルビカーフィンにとって

オシャレ等、全く興味のないこと

着れればなんでもいいのだ


「なら!!今日は俺好みのコーディネートに

するね!!」


どこで覚えたのか

難しい横文字を使うユウ


「よし!!いつもワンピースばっかだから今

日は違うのにしてみた!!」


なんて言いながら渡してくる


白いワイシャツに黒のハーフパンツ

濃い紫のパーカー

普段は白や水色が多い彼女にとって

暗めの色はある意味

新鮮なのかもしれない


迷うことなくその場で着替え始める。


すると


「ふぅ…外は凄い雪だ。ルイ早く起き…」


コウの言葉は最後まで言い終わることなく固まる

タイミング悪く

着替えの最中に部屋へ入ってしまった


ユウの目の前には着替えようと

上の服を首まで脱いでいる

ルビカーフィンが居る


「何しているのですか!!!!」


ここ1番の声が家中に響いた




ルビカーフィン達がそんなこんなしている中

外に1人の少年が


「待っててくれ…必ず助けるからな」


そう言って、何やら文字が書いてある紙を投げると


ドッガーン


一瞬にして家が吹き飛んだ

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