第15話 スキルとは
「で、何でレッドドラゴンなんかと戦ってたんですか?」
と怒り気味で尋ねてくる竜人さん。
「いや、実は・・・」
そう言ってレッドドラゴンと出くわしてスミレが飛び出し、仕方なく攻撃したらたまたま攻撃が効いて、調子に乗っていた事を話した。
「あなた達、馬鹿ですか?レッドドラゴンってこの地域で最強のドラゴンですよ!?そんなドラゴンにあなた達の様な駆け出しパーティが喧嘩を売るなんて死にたいんですか?」
ぐうの音も出ないとはこの事だ。
確かにこの地域で最強のドラゴンに俺達が挑むなんて自殺行為だしな。
「今日はドラゴンが逃げて行ったから良いものの逃げなかったら私もろとも殺されていたかも知れません。いいですか?もし、レッドドラゴンと戦うならもう少しレベルを上げてからにして下さい」
「「「「はい」」」」
そう返事をするしかないのである。
竜人さんからのお説教が終わったあと俺達は真っ直ぐお家に・・・ではなく、ギルドに帰っていた。
「そう言えばまだ名前を聞いてませんね。教えて貰っていいですか?」
命の恩人に名前を教えて貰わないといつかお返しが出来ない。
いつになるか分からないけど・・・
「・・・教えたくない」
?なんでだろうか。何かお家事情だろうか、そうするとお嬢様か何かなのか!?
俺がオロオロしているとスミレが
「何故だ?どこかの貴族か何かなのか?もしかして、お嬢様!?」
と、どストレートに聞きやがった。
普通聞かないだろ!察しろよ!
「いや、そういうことでは無くてですね、その、笑いませんか?」
「笑わないわよ、人の名前なんて。良いから教えてくれないかしら?」
相変わらず、サリナさんは敬語が苦手な用ですね。
「その、かえ・・だ」
「すいません、よく聞こえませんでした。もう一度言って貰えますか?」
「その、ああ!もう!かえりんです!かえりん!わかりましたか!?」
「「「「冷やかし?」」」」
「違いますよ!ああ、だからこの名前嫌なんですよ!」
ああ、どうやら本当のことらしい。
・・・哀れな。
「いや、まあ名前は人それぞれだし気にすることないわよ!ねえ?ミイナ?」
「そうですよ、気にすることはありませんよ!ですよね!スミレさん!ってスミレさん?」
スミレはお腹を抑えて四つん這いになっている。耳が良い猫耳姉妹には聞こえているだろう。
「かえりんって、ふふふ、かえりんだって、いや、いくら何でも、ふふふ、お腹痛い」
という声が・・・
こいつにはお話し合い(物理的な)が必要だ。
スミレは頭を抑えて体育座りになっている。
「改めて、かえりんさん、助けてくれてありがとうございます。このお礼はいつか必ず」
「いえ、私がたまたま通りかかっただけですから。あと、呼び捨てで構いませんよ、さんを付けると変な感じですし」
「確かにそうですね。あ、酒場で奢りますから少しスキルを教えてくれませんか?」
そう、日本からやって来てこの世界のスキルの知識は皆無である。こういう時に教えて貰わないと大変だ。
自分でスキルを作る事も出来るらしいがそうそう簡単に出来るわけがない。
「ええ、いいですよ。そんな事でいいなら見る限りまだ真城さんだけスキルを覚えていなそうですし」
え?おい、君たち聞いて無いぞ。
こら、何で目を逸らす。
教えてくれたっていいじゃないか!
「違うのよ、あのね当然真城の事だからスキルなんて自分で上げてるだろうと思ってたわけで」
「私たちより知識ありそうでしたし」
「教えるのが面倒だった」
最後の奴はいつかお返ししてやるが、今回は俺からみんなに尋ねれば良かった訳だし反省しよう。
********************
「スキルについてですね」
ギルドで報酬をもらい、俺の奢りで食事を済ませたあと、かえりん先生のスキル講座の始まりである。
「基本的なことは省くとして、私が真城さんに教えれそうなスキルは、跳躍攻撃です。その名の通り、跳躍して攻撃をするスキルです。魔法で身体を敵に飛ばして、からの攻撃を加える。魔法は、足の下に圧縮させる感じです。まあ、実際にやった方が良いでしょう。来てください。」
そう言って、ギルドの後ろにある訓練場に俺達はやってきた。
跳躍力が無い俺にとって、このスキルは大きな進歩だ。
「では、まず足に魔力を集めて見てください」
そう言われ、この世界にやって来て感じる力の流れの様なものを足に集める。
「そうです。ではその魔力を上から抑えつけ、少し解放してみてください」
抑えて、放出。
瞬間、3〜4mぐらい急上昇した。
「おお!出来た!ここから攻撃ですね!はぁッ!」
剣を抜き、敵がいると仮定し攻撃する。
そして、落下中に少し魔力を放出し着地する。
「出来ましたね!カードを見てみてください。恐らく跳躍攻撃という項目があると思います。追加すると想像するだけで発動しますし、ランクアップさせると命中精度と攻撃力が上がります」
カードをみると
【城崎真城】
スキルポイント20P
二刀剣術 ?ランク-3P
跳躍攻撃 ?ランク-4P
風魔法 ?ランク-5P 火魔法 ?ランク-5P
体術 ?ランク-3P 鍛治 ?ランク-3P
【称号】
ドラゴンスレイヤー予備軍
【パーティー:?】
サリナ、ミイナ、スミレ
とある。
ドラゴンスレイヤー予備軍って何だよ。
パーティー名決めて無かったな。
終わったら相談して決めないと。
スキルポイントを振ってと、
「ありがとうございます。かえりん先生!」
「いえいえ、では私はこれで失礼します」
「ありがとうございました!」
かえりん先生は俺達に手を振り、訓練場を出ていった。
「良かったじゃない!」
「おめでとうございます!」
「どんどん力を付けて我の支えになるがいいぞ」
スミレさんは少し言葉が過ぎる様だが今日は色々疲れた。また今度、締めてやろう。
「ありがとう。今日は疲れたし今日は解散だな」
「そうですね、魔力も無いですし今日は宿に帰って休みましょう」
「そうね、じゃあ解散!」
「「「お疲れさま!」」」
はぁ。疲れた。
あ!パーティー名、決めるの忘れてた!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます