第13話 ルビラビット、そして、

「ルビラビットってどんなやつなんだ?」


名前からするとルビーがついているうさぎかな?

何故か気になり聞いてみる。


「ルビラビットですか?」

「ルビラビットってのは、身体中がピンク色のキラキラしてるやつらよ」

「倒しがいのある奴らだな」


ミイナとサリナはスミレの発言を聞いて頭に『?』を浮かべていたが俺は何となく嫌な予感が・・・


的中してしまった。


「な、何よこれ!?硬いじゃない!」

「硬すぎます!」


そう名前の通り身体がルビーで出来たうさぎでかなり硬い。しかも・・・


「やばい!おい、スミレ!笑ってないでなんとかしろ!何か対処法を知ってんだろ!痛ッ!こいつら体当たりが恐ろしすぎんだろ!」


「いや、だって、真城ってば、うさぎから集中攻撃受けてんだもの、こんな、面白いところを、対処するなんて、もったいないんですもの、ふふふ」


アイツは後でひどい目に会わせてやる!


そう、こいつらは身体が硬いのを良いことに体当たりで攻撃してくるのだ、しかも俺だけに。


「ミイナ!魔法で何とかならないのか!?」


「そんな事言われましても無理ですよ!」


くそー、ルビーは何に弱いんだっけか?

確か、衝撃に弱いんだよな。


「サリナ!近くに穴を掘れるか!?」


「分かったわ!」


こいつらを穴に落として岩でも放り込んでやろう。

岩か・・・魔法で何とか出来ないか?


「スミレとサリナは魔法で岩って出せるか?」


「岩ですか?一応出せます」

「出せるとも、でも、一体何をするんだ?」


「俺が合図したらサリナが掘った穴に岩を放り込んでくれ!」


ああ、キツい!流石に体力の限界だ。サリナさんまだですか?


「掘ったわよ〜」


よし、ルビー共、こっち来い!


俺は穴を飛び越え、ルビー共は穴に落下していく。


「よし、ミイナ、スミレ!岩を放り込んでくれ!」


「「ロックドロップ!」」


岩が穴の上に落ちていく。

ガシャンという音が響いて今日の戦いは終わった。


岩は魔法なので役目を終えると消えていく。

中には綺麗なルビーが散乱しまくっていた。


「綺麗だな〜全部貰って換金でもするか」


「そうねルビラビットの残骸はマニアには高く売れるし、鍛治スキルでも覚えて防具か武器に使うといいわね」


「普通に換金してもいいけど、そんなに高くない。そんな事するより我に捧げる方がいいと思うわ」


スミレは残骸を回収した後、20分穴埋めの刑にしてやった。かなり叫んでいたがこいつは重罪なので当然である。

サリナとミイナから後で怒られたが・・・

スライムの方が良かったか?


俺たちはスミレの回収をした後、街に戻っていた。

「あ、そう言えば真城さん、最近この森である噂があるんです。デカいドラゴンを見たとかいう噂が」


「ドラゴンですって!?探しましょう!ぜひ探しましょう!」


おっと、中二心をくすぐられてさっきまでの反省心が消え失せたぞ?

あと、ミイナさん、それはフラグって言うんですよ?

あまり立てないで下さいよ。本当に会いそうだ。


そんな心配は要らない。もちろん、この世界はフラグを立てるとお約束のように・・・


出会うのだ。


「真城さん、このドラゴンかなりデカいんですけど。どうしましょうか?」

とスミレ。


「こいつかなり手応えがありそうね。真城、戦うわよ」

と血の気の多いサリナさん


「すみません、フラグ立ててしまってましたね。ですがどうしましょうか?この、レッドドラゴン」

と今頃フラグに気づくミイナさん。


「いや、皆さんこれはかなりまずい状況ですよね?戦っても、逃げても嫌な予感しかしないんですが」


出会ってしまったのだ。この地域で最強のドラゴン、レッドドラゴンに。


グオォォォォ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る