第12話 中二病と金稼ぎクエスト

いやぁ〜痛いなぁ〜


受付嬢さんから言われた時に予想はしていたが、本当に中二病とは思わなんだ。しかも、日本だったら完全に引かれるぐらいの中二病ぷりだし。


「ふっふっふ、我が強大なオーラを感じ言葉も出ぬか」


「よし、サリナ、ミイナ帰るか〜」


逃げるが勝ちだ。


「あ〜待ってください!ごめんなさい!お願いしますパーティーに入れてください!もうぼっ・・・ソロは嫌なんです!」


今『ぼっち』って言おうとしたよね!ねえ!


「はぁ。で、なんでよりによって私達のパーティーに?」


サリナが聞く。


「我の眷属を手に入れ・・・」


「しっかり本心を答えてね〜☆」


ちょっと!サリナさん怖い!怖いよ!怯えちゃってんじゃありませんか!


「はい、本心を言うとあなた方のパーティーが楽しそうに見えて少しストー・・・付けていたんです」


この子結構口を滑らせるなぁ。

今だって多分ストーカーって言いそうになってたんだよね?


「そうなのね。ミイナは何が言いたい事はある?」


「う〜ん。そうだ、あなた武器って何を使うの?」


「ふっふっふ、我の武器は聖槍棍せいそうこんシュピーゲルよ!・・・はい槍に両手棍の機能を持たせた自作の武器です。はい。」


「武器を自作するなんてすごいです!とても興味があります!真城さん、是非この子をパーティーに入れましょう!」


もう決まった様なもんですね。わかりましたよ。入れますよ。ただ、


「なあ、入ってからパーティーを抜けるなんて事はしないって誓えるか?」


「ふっふっふ、我を服従させようとしているのか?」


「うわ〜真城ってこの子を服従させて一体何をしようとしているの?」

「正直、少し引きました」


サリナとミイナがヒソヒソと言い出す。


「ちょっと待て!濡れ衣だ!」


勝ち誇った顔をしてくる中二病がウザい。

ここは・・・


「よし、服従させる気はないから帰るか」


「あ〜!調子に乗りすぎました!ごめんなさい!何でもしますからパーティーに入れてください!」


泣きついてくる中二病。

はぁ、どうやら入れないと終わらないな。


「分かった!分かったからまず離れてくれ!」


「言いましたね!これから一生メンバーだって言いましたね!いいでしょう!入ってあげましょう!」


こいつ、一言多くないか?


「あ、自己紹介がまだでしたね。我の名はスミレだ!よろしく頼むぞ」


「な、名前は普通なのにな・・・」


「うっさいわ!」


こうして、新しく中二病が加わったのである。


********************


「さて、新しく仲間が加わったし何か討伐に行こうと思うんだが何がいい?」


スミレが加わった次の日俺たちはギルドに来ていた。正直に言うとクエストを受けようとしているのはスミレが加わったからではなく、昨日スミレが加わって酒場を巻き込んだ歓迎パーティーをやってしまいお金が底をついてしまったのである。アナマスさんから貰った百万ユナイをその日にほぼ使うとか俺たちはバカなのか?バカだな。うん。


「私はこのマルマス5匹の奴かな〜」

とサリナ。

「私はルビラビットがいいです」

とミイナ。

「我はウルフゴーレムを塵に変えたいな」

とスミレ。


「見事にバラバラだな」


「そういう真城は何がいいのよ?」


そんなの決まってるだろ?


「俺はバーベルスラ・・・」


「「「ダメ、絶対!」」」

と、3人から言葉を遮られる。


「な、何でだよ!俺はこの前の鬱憤うっぷんを晴らしたいだけなのに!」


「自分の事に私たちを巻き込まないでよ!」


「ん?真城よ何かあったのか?」

とスミレが不思議そうに聞いてくる。


「スミレちゃんあのね真城さんはバーベルスライムに服を溶かされて私たちに***を見せてきたんですよ」


おい、ミイナさんよ思い切り言ってますね。

あと、見せたんじゃないぞ!あの時叩かれた仕返しをバーベルスライムにしたいんだよ!

あの、スミレさん?蔑む様な目でこちらを見ないでいただけると嬉しいのですが?


「とにかくスライムだけはダメ!」

とサリナがスライム討伐を却下。


ちっ、サリナ達のいいものが見れたかもしれないのにっ!


「じゃあ報酬が一番高いルビラビットにしましょうか」

「賛成ね」

「良かろう」

と、ルビラビットの討伐に行く事になった。


ルビラビットってどんなモンスターなの?

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