第5話 ギルド登録、初クエスト選択

「さすがにそこら辺の建物よりおっきいなぁ!」


「そうね〜!」

「おっきいです」


俺達はギルドの建物の前に来ていた。

何故来ているのか?

何を隠そう、ギルド登録するためさ!


「それじゃあ中に入ろうか!」


「ギルド登録へレッツゴー!」


と、張り切るサリナ。


「おーです」

と、恥ずかしそうにミイナ。


何故、双子でこんなに違いが出るのだろうか


「謎だね〜」


「何が?」

「何がですか?」


息ぴったりだ。

何故、性格以外はとっても似ているんだろうか。


「何でもないよ〜」


とにかく誤魔化す。

サリナたちは『???』と頭の上に浮かべているようだ。


そして中に入る。

中に入るとスタッフの様な人が、


「飲食ですか?ギルドに用事ですか?飲食ならお好きな席へ、ギルドに用事なら2階へどうぞ〜」


なるほどギルドと酒場は別れているのか。


「ギルドに登録したら、何か食べるか」


「賛成!」

「決まりです」


そう言って階段を上がる。

そういえばサリナとミイナは登録料を貰っているのだろうか。


「なあなあ、サリナとミイナは登録料は貰ってんの?」


そう言うと、サリナたちは足を止める。

どうやら持ってないようだ。

よしあげるか。


「持ってないよ、さっき朝ごはんで全部使っちゃったもん」

「お姉ちゃんがたくさん食べたからでしょ!」


「まあいいじゃん。どうせ誰かくれるんだし!」


とか言いながらチラチラこっちを見てくるサリナとミイナ。

欲しいんじゃねえか!


「しょうがねぇな。あげるけどいま青銅貨が俺の分しかねぇんだ。何か銅貨がちょうどいい具合にくずれるところないか?」


「ありがとう!銅貨がくずれるところって言ったら、う〜ん、やっぱりギルドのアイテムショップかな」

「そうですね。傷薬ならちょうどいいんじゃないですか?」


「そうか、それじゃあそこで買ってから登録しようか」


それから、アイテムショップでちょうど400ユナイの傷薬があったので1つ買ってサリナたちに青銅貨を二枚ずつあげる。サリナたちは嬉しそうに貰ってくれた。可愛かった。


「それじゃあ登録しようか」


そう言って俺達はカウンターへ向かう。

そして受付嬢に向かって


「あのーギルド登録したいんですが」


「ギルド登録ですね?わかりました。ではまず、登録料をお払い下さい」


それぞれ青銅貨を二枚ずつ渡す。


「ありがとうございます。ではまず、ステータスを調べ、ギルド登録証を作りますので、腕を出して下さい」


そうして袖をまくり上げて腕を出すと・・・

受付嬢さんが蛇、ならぬ蛇型の魔道具を出して来た。


サリナとミイナは『ひやぁぁ!』と叫ぶ。

まさか、腕を噛ませるつもりじゃないよな。

受付嬢さんが蛇を近づける。

まさかな、まさかな、ちょっと待て!

受付嬢さん!止めて!


そうして俺達は腕を噛まれた。


腕を噛まれた俺たちは腕を抑えて涙を堪えていた。

サリナは涙をこぼしていたが・・・


「ありがとうございます。ではまず城崎真城さんですね。うーん俊敏力が低いことと統率力、攻撃力が高いこと以外はいたって普通ですね。リーダー的になって攻撃主体になる方が適任ですね」


お?定番は?全ステータスが高いとかないのかよ!そう思いながらギルド登録証を受け取る。


「次にサリナさんですね。えっと、知力が少し低いのと防御力が高いこと以外は平凡ですね。盾を持って皆さんを守る役割が適任ですかね」


知力が低いと言われて、俺とミイナは笑いに堪えていた。感心のサリナは『なっ!』という様な顔をしていた。


「最後にミイナさんですね。ミイナさんは魔力と知力が高いこと以外は普通ですね。魔法使いが適任かと思われます」


ユミナは唯一低いステータスが無く喜んでいた。

受付嬢さんは続ける。


「では、念のため登録証の説明をさせていただきます。冒険者にはレベルがあり、魔物を倒したり、クエストをクリアすることで上がります。レベルアップしたり、クエストをしたりするとスキルポイントが貯まります。スキルポイントは人に教えてもらったスキルや自分で編み出したスキルを習得するために使います」


どうやらロールプレイングゲームの要素が満載なようだ。今の説明でスキルは編み出せると言っていたからもしかしたらアニメとかで出てくる技を使えるかもしれない。


「では次に、このメンバーでパーティーを登録しますか?」


「はい。登録します」


「わかりました。では、明日までお待ちしますので、パーティー名を考えておいてください。それでは、真城さん、サリナさん、ミイナさん。これからギルド登録冒険者として頑張って下さい!」


こうして、俺達は冒険者を始めた。


「それじゃあ、さっそく初クエスト始めるか!」


「「お〜!」」


と、張り切ったが『グゥ〜』とお腹が鳴った。全員顔を赤くする。


「まず、何か食べようか」


「そ、そうね」

「そ、そうしましょう」


俺達は、1階の酒場でまず腹ごしらえをした。

サリナが予想以上に食べていて驚いたが・・・

そして改めて、初クエストを選び始めた。


「これなんかどう?バーベルスライム5匹の討伐。報酬5000ユナイだって」


「あんた、バカなの?」

「スライムはぜったい駄目」


サリナたちが頭を抱え、悶えている。

こいつら、スライムに何かされたのか?


「じゃあ何がいいんだ?」


そう言うと、サリナたちが選び出す。


「あっ、これいいんじゃない?」

「いいですね。ラッキーウルフ3匹の討伐」


「ラッキーウルフってなんだ?」


ミイナに聞く。


「ラッキーウルフは、比較的初心者向けの魔物で、経験値も初心者向けの魔物の中で高いから人気なんです」


「なるほど、じゃあそれにしよう!」


つまり、初心者向けのメ〇ルスライムだな。


「決まりだね、すいませ〜ん。これお願いしま〜す」


そうして、初クエストが決まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る