第4話 猫人族の少女たち
猫人族の少女二人が路地に無理やり連れて行かれるの目撃した。
(何もしないで生きていくより、助けて死ぬ方がいいだろ!)
当たり前だこの後後悔したくないし!
・・・まあ、死ぬ前提の事は置いといて。
「クソッ!やってやらぁ!」
そう言って、駆け出す。全力疾走で少女たちが連れて行かれた路地に入る。
「ちょっと!離してよ!」
叫ぶ声が聞こえる。声の主がいる方向へ路地を走る。
「お前らを売り飛ばして一儲けしてやるんだ。少し眠ってもらうが悪く思うなよ」
男の低い声が響く。俺は走って探す。見つけた。
そして、叫ぶ。
「その汚い手を離せ!」
このセリフを1回言ってみたかった!
「ああ?誰だテメェ、こっちは忙しいんだ、失せろ。失せないなら死んでもらう。」
「おお、兄貴やりますかぁ?」
「丁度いい、血に飢えていたところだ」
ボス的なクズ人間が放った言葉に周りのクズ仲間が同意する。
(ああ、駄目なやつやん。死んでしまうやつやん)
そう考えていると、クズ共がかかって・・・来なかった。
「なあ兄貴、こいつ、アナマス家の奴だ」
1人が俺がリーゼルさんから貰ったペンダントを指差しボス的な奴に言う。
「何!・・・無理だ!勝てる訳ねぇ!おい!逃げるぞ!」
『ヒィィ!』と言いながら逃げていくクズ人間たち。俺は何が起きているのか全く理解出来なかった。
同じく猫人族の少女たちも口を開けてポカーンとしていた。
さあ、奴らが逃げたあと残されたのは俺と少女二人だ。
少女たちはお互いに艶のある茶色い髪を1人は短く1人は伸ばし、ネコミミをひょこっと出している。歳は16くらいだろうか。見た目は美少女だ。普通に可愛い。
俺は少女たちに聞く。
「大丈夫だった?」
「あ、ありがとう。あんた一体何者だ?アイツらあんた見てすぐ逃げたぞ?」
「お姉ちゃん、敬語!」
「いや別に敬語じゃなくていいよ。だけどアイツら俺じゃなくてこのペンダント見て逃げたし」
案外、アナマス家って有名なんだろうか
「あんたそれってアナマス家のじゃない!アナマス家のペンダントは強い人って認められた人にしか与えられるらしいけど本当なの?」
(・・・え?初見なんだが)
どうやらアナマス家はかなりスゴイらしい。
「いや、多分『強い』は間違いじゃないかな。俺はただ屋敷に入れるからって貰っただけだから」
「なるほどね~。ってあんたまさかアナマス家の人と仲いいの!?」
「一応、今の町長さんとかな」
「え、本当に!?凄いねぇあんた」
「本当に凄いです」
「そうなのか、まあ、ありがとう」
凄いと言われなんか恥ずかしいのでさっさと終わらせよう。
「今からギルドに行くんだけど一緒に行くか?」
「あんたもなんだ。一緒にいくよ、まだ色々話したいしね」
「一緒に行きます」
「それじゃあ行くか」
そう言って大通りにでてギルドに向かって歩き出す。
(頭、撫でてみたいなぁ)
だって!ネコミミが横を歩いているんだよ!触りたいじゃん!
触りたいのを我慢して歩いていると
「そういえばまだ名前聞いてなかったね。この際自己紹介しよっか!」
「そうだな。それじゃあまず俺は城崎真城だ」
「私は猫人族のサリナ、よろしくね。そしてこっちが妹の」
「ミイナです。姉とは双子です」
「へ〜双子なんだどおりそっくりな訳だ」
「へへっ、ありがとう」
「性格は全然違いまず」
やばい。めちゃくちゃ可愛い。どうしよ。もしパーティーに入って無かったら俺のパーティーに入れたい。いや、必ず入れよう!
思い立ったが吉日!サリナとミイナに聞く。
「そういえばサリナとミイナはパーティーに入ってんの?」
「いや、まだだしそもそも私達、ギルドに入ってないからこれから登録しに行くんだよ」
「一緒だな!それじゃあ一緒のパーティーでやっていかないか!?」
思わず大声で言ってしまった。
だって可愛い二人に毎日会えるんだよ!
いいじゃないか!
「いいね〜決まり!ミイナもいい?」
「いい案ですね構いませんよ」
「よし決まりだな!」
こうして、ギルド登録する前に最初のパーティーメンバーを入れることに決まったのだ。
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