第3話 アンサビ

異世界初めての町、アンサビはレンガ作りの家が立ち並び、道は石畳で舗装され、様々な種族の人たちが歩き、活気づき、どこからか音楽が流れてくる町だった。


(なるほどリーゼルさんが熱弁を振るう訳だ)


「いい町ですね〜」


「そうだろう!ここは治安も、人々も何もかもがいい町なんだよ!駆け出しの冒険者にも最適だ!あ、そうそう真城くん、君ギルドに登録してないだろう、ギルドに登録するには手数料がかかる、手数料は青銅貨二枚だ、あげるよ」


と言ってリーゼルさんは青銅貨をくれた。


「本当にありがとうございます!」


「いや、お礼はいらんよ。ギルドに登録するための手数料は誰かから貰うのが暗黙のルールだ、覚えておきなさい」


「はい、覚えておきます!」


助け合うと言ったところだろうか。

いいね〜そういう文化は!


「それでギルドに登録したらパーティーを作るか、入った方がいい。お互いに助け合ったり出来るから安全だからね。パーティーを作りたいのなら自分で集めるか募集をかけるといい」


なるほど、確かに安全を取るならパーティーは必要だな。

しかしどうしようか、パーティーに入るのは馴染むのに時間が掛かりそうだけど早く済むし、作るのはメンバーが集まるのに時間が掛かりそうだが、最初から話かけやすいし、それぞれ短所と長所があるな。

まあ後で考えるか。

色々考えていると、大きな屋敷が見えて来た。


「着いたぞ、我が家に!」


門をくぐり噴水がある庭園を進み、玄関の前で止まった。


「家の中に入ってくれ、渡したいものがある」


「はい、わかりました」


そういって中に屋敷の中に入る。

中は・・・そうでも無かった。

色々飾らず、案外質素な感じだ。


「質素な感じがしますね」


「私はあまり高価なものはあまり好みではなくてな、シンプルな感じが一番だ」


親しみが持てそうだ。


そして、2階に上がり執務室に入ってリーゼルさんが椅子に座り、銀色のペンダントを渡して来た。


「これはアナマス家の紋章だ。これがあれば門をくぐれる。明日来る時に持ってくるといい」


「わかりました」


そう言ってペンダントを貰い首にかける


「私はこれから仕事があるから、家の中でも見てギルドに行くといい。ギルドは門を出て右に進んだところにある」


「本当になにからなにまてありがとうございます!」


「なに、明日いい話を聞かせてくれるためさ」


リーゼルさんは笑顔だ

しかし俺はそんなに話す事がないので苦笑いを浮かべた。


(色々思い出さなければ)


「失礼しました」


「明日楽しみにしとるよ!」


そんな会話をして執務室を出る。

それから屋敷を見て回る。といってもたまにメイドに会うだけであまり魅入るのも無かったが・・・メイドをずっと見てた訳じゃないよ!


そして屋敷を出てギルドに向かう。

歩いていて感じることは、比較的人族が多いという事だ、やはり人族以外は少数派なのだろうか。よく人族からの迫害を受けるとか差別されるとかが異世界系の本でよくありがちだがこの異世界は違うらしいし、しかも、サジェスト帝国の皇帝は竜人族の女性らしい。

差別などが無いのはいい事だ。


「それにしても、活気があるよなぁ」


町は活気に溢れている。人々が共に飲み、笑い、歌っている。露店も多く、いい匂いが至る所からしている。

そんな町の雰囲気に浸って歩いていると


猫人族の少女二人が路地に無理やり連れて行かれるのを目撃してしまった。


なんだよこのテンプレは

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