第2話 異世界へ
「まぁとにかく、お主、異世界で生きてみたいなとは思わんか?」
「異世界ですか?」
俺は
不良に鉄パイプで殴られ死んじゃった☆
で、今神さまから異世界へ行かないかときかれている。
「そう、異世界じゃ。魔法などを使って生きてみたいなとは思わんか?」
異世界かぁ、たしかに魔法は使ってみたい、けどどうやって?そもそも、どうやって生きていくの?
「まあ体はそのまま、魔法は異世界に行ってもらわぬと使えるか分からぬしなぁ、で行きたいか?」
「心読んだでしょ」
この神さま心読むの好きだなぁ
それにしても、魔法が使えるか分からない?
ちょっと待て、使えるか分からないのに行く必要ある?でも行ってみたいなぁ。よし。
「行きたいです!ちなみにどんな世界なんですか?」
「いたって普通の異世界じゃよ。魔物がいて、冒険者がいて、魔王がいる普通の異世界じゃ」
そうかー魔王がいるのかーでもだいたいゲームで魔王ってあんまり関係ないしなーでも、また殺されるのは勘弁!それでも、行ってみたい!
「そうですか、では行きます!で、俺って何か特殊能力とかあるのですか?」
「知らん」
えぇ!?知らないの?いや普通知ってるでしょ!
「知らんものは知らんのじゃ」
「ですから心読まないで下さい!」
想像していた俺の異世界ライフはどこへ!?
まあようは行ってみらないと分からないのかー
「では転生させるぞ」
「え?」
体が光に包まれ出した!
「ちょっと待って!一体どうやって生きて行くんですか!言葉は?分かるんですか?教えて下さい!」
「言葉は大丈夫じゃよ。では異世界ライフを楽しむんじゃよー」
「え?いや、それだけ?ないですよぉぉ・・・」
**********************
目を開けると草原のど真ん中だった。
空を見上げると小さなドラゴンが空を飛んでいた。
来たんだ、異世界。
でもどうしよー
うずくまって考える。
町も見えないし、装備も制服のまま。
「もっとましな装備とか武器とかあるだろー!」
嘆く。
まぁとにかく歩こう。立ち上がって歩き出す。
何だかなぁ、異世界転生ってこんなんじゃないだろ!魔法も使えるか特殊能力もあるかどうか不明、ちくしょう!
なんて考えて歩いていると道に出た。
「どっちに行こう?」
道は左右にのびていた。
「こっちだな」
迷わず左を選ぶ。
理由?そりゃ感だろ!
なんて思いながら歩いていると、後ろから竜が引く竜車が見えて来た。
(馬じゃなくて竜かよ!)
と思ったが今は関係ない。
とにかく親指立ててヒッチハイクだ。
すると竜車は目の前で止まった。
(ヒッチハイクは異世界共通なのか)
と思っていたら
「どうしましたか?」
(よかった言葉は通じる)
40代だろうか?まだ黒い髪を見せて親切そうなおっちゃんが窓から顔を出す。
「いやぁ、実は今転せ・・田舎から出てきて町に行こうとしたら道に迷ってしまったんですよ」
(あっぶねー転生って言うところだった!)
さすがにまずいと思い慌てて訂正する。
「そうですか、今から近くの町に行く予定だったので
よかったら乗りますか?」
「では、お言葉に甘えて乗させていただきます」
と言って竜車に乗り込む。
中はけっこうアニメで見るような豪華な作りだった。
竜車が動き出す。
「一応自己紹介しておきますか。私は今から行く町で町長をしておりますリーゼル・アナマスというものです。あなたは?」
うそ!町長さん!?運がいいな!
と思いながら、
「俺は城崎真城といいます。まあド田舎から出てきたばかりなんでよかったら色々教えて貰えませんか?」
まずは情報収集だ。町長なら色々知っているだろう。
「真城さんですか、珍しい名前ですね。ある程度の情報なら教えてもいいが、それにしてもその服見た事ありませんね、出身はどちら?」
(あ、制服のままだった)
「日本というところです。これは学校の制服です」
田舎設定で日本は誰も知らないだろ。異世界だし。
「ニホン?知りませね、よっぽどの田舎なんですね」
(けっこう発展してるんだけどね)
やはり知らない、やっぱり日本は分からないか。
うん、それでいい。
「よかったら明日うちにきてそちらの話を聞きかせてもらえないか?」
「構いませんよ、と言ってもあまり自慢できませんが」
「ははは、謙遜せずともいいのに。ではこの国のことについてお話しましょうか」
約一時間だろうかこの国について教えて貰った。
今いる国はサジェスト帝国、帝都は今から行く町から5日かかるところにあるらしい。基本的に工業、魔法学などが盛んで隣国から留学生もやってくる。
魔法については明日教えてくれるそうだ。
(魔法も知らないのか)と難しい顔をされたが。
「ところで、この世界にはどんな人種がいるんですか?」
「そんなことまで知らんのか、よっぽどのド田舎だな。この世界には人族、猫人族、犬人族、竜人族、魔人族、エルフ族がいるぞ」
途中、ネコミミの美少女に会いたい!なんて思ったが仕方ないよね。
「今日中に町に着くから自分の目で見るといい。そういえば真城くん、君、お金は持ってるのかい?見た所持って無さそうだが」
「あ、持ってないですね・・・すいません、貸して頂けませんか?」
「やっぱり思った通りだ。ほら、明日の君の地域について教えて貰うついでだ、いくらかあげるよ」
と言ってリーゼルさんは金貨、銀貨、銅貨を1枚づつくれた。
「一応言っておくが金貨は1万ユナイ、銀貨は5千ユナイ、銅貨は千ユナイだ、他に白金貨、青銅貨があるが
白金貨は100万ユナイ、青銅貨は100ユナイだ、覚えおくんだぞ」
「はい、なんかすいません」
「なに、かまわんよ」
初めて会った人がいい人でよかったと改めて感じた。
そしてまた約一時間次は今から行く町について教えてもらった。
まあ、町長だからか帝国について教えてもらっている時より熱が入っていたが・・・
今から行く町はアンサビと言うらしい、農業と商業が盛んで帝都に行く途中の宿場町の様なところらしい。近くの森にある程度の強さの魔物も出るらしく、冒険者たちも集まって来るらしい。
と、話を聞いているといつの間にか横を多くの竜車が進んでいた。
「けっこう竜車が増えてきましたね」
俺は聞いた。
「ああ、もうすぐでアンサビに着くぞ!」
はい、熱が入ってます。やっぱり自分の町に帰ってくるのは嬉しいのだろうか。
窓から外を見ると高い壁が見えて来た、壁は魔物から町を守るためのものだそうだ。
そして俺は異世界初めての町に着いたのだ。
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