第11話

「じゃあ、そろそろ録音に入ろうか? 」


 2人に出会って1週間と少しが経った。トントンと急転換で進んでいた楽曲制作は、ついに収録へと差し替える。


「おお! ついに!! 」

「いいけど、どこでやるんだ? 」


 私は、ポケットに手を入れてあるモノを探す。すぐに見つかったひんやりとしたそれを取り出して2人に言う。


「第2音楽室、借りてきた。」


 ニヤリ、と思わず口角があがる。1度、鍵をポケットに仕舞い、移動するために荷物をまとめ始める。


「ちょっと待って、吹部は? 」

「今日は新歓のコンサートのために体育館で練習するらしいよ。

 ほら、早く行こう!! 」





「失礼しまーす。」

 音楽室のドアを開けそーっと入る。

「なんで普通にはいらないんだ? 」

「なんか、緊張して……」

「その緊張、謎すぎるだろ。」


 ガヤガヤとしながらも、音楽室に入り、1人、準備を進める。2人は最終確認をしているようだ。マイクやパソコンなど、必要な物の準備を終えると、2人に声をかける。


「準備できたよ。さあ、始めよう!! 」


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